6月下旬になると三種町森岳各所のジュンサイ沼には夥しい花が開きます。
私の毎日通りかかる道筋にも何面かのジュンサイ沼がありますので通勤の折などに花を撮影したり少し採集したりなどして観察してみました。
6月26日朝、道端の沼の縁に3個並んだ花を見かけて撮影しました。
3個集まって開花しているのを選んだのは、その後の経過観察でマークし易くするためです。
3枚の萼片と3枚の花弁が恰も6枚の花弁のように開き、13〜15個の雌蕊(花柱)が立ち上がっているのが見られます。雌性先熟と見られます。
花弁と萼片とは色と形で容易に識別できます。
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6月27日朝(翌朝)には花柱の外側に雄蕊が立ち上がっていました。
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6月28日には受粉の済んだとみられる花は花弁と萼片を閉じて水中に戻り、ゼリー状の物に包まれた状態になっていました。
ここで疑問なのは、授粉がどのようにして行われたかということです。
花の周りには昆虫を見ることが無いことから虫媒花とは思われないし、葯を破れば出てくる粘液に包まれた花粉の性状から風媒花ではあり得ないとも思われます。
水中で授粉が行われるというのも水上で開花することから先ずあり得ないと思われます。
自家受粉は最もありうる授粉方法ですが、雌性・雄性の生殖器官が1日の時間差で出てくることは自家受粉を回避する自然の摂理ではないかと思われます。
7月15日に授粉した花を水中から取り出し展開してみました。
花弁と萼片とは授粉後の子房を包み込むという役割には差が無いと思われます。
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取り出した子房の中には未熟な種子も見られました。
7月30日に取り出した成熟した子房の中には卵形の種子が1〜2個見られました。
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