花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

トケンラン

2012-06-14 10:02:23 | Weblog

  秋田ではサイハイラン(ラン科サイハイラン属)各地で観察されますが、近縁種のトケンランの生育する場所は限られていて私もこれまで見たことがありませんでした。
  6月9日友人にお願いして群生地に案内して戴き、林床で満開となったトケンランを撮影することが出来ました。
  1本の花茎に2枚の長楕円形の葉が付きます(サイハイランでは1枚)。葉には暗紫色の斑紋のあるものが多く見られます。花茎にまばらに数花を付けるが、苞は披針形、萼片は線状倒披針形、側花弁は線形で、ともに鋭頭で黄褐色に紫の斑点があります。唇弁には白色で暗紫色の斑点があります。和名は杜鵑蘭で、花被の斑点を杜鵑(ホトトギス)の胸や腹部の斑紋に見立てたものだそうです。
    

                 (環境省、秋田県:絶滅危惧種 IB)

 

 


ノゲシ

2012-06-06 14:45:23 | Weblog

 ノゲシ(野芥子、または野罌栗)の名のついた野草にはハルノノゲシオニノゲシアキノノゲシの3種があります。
 キク科のこれらの植物にケシの名がつけられたのは葉がケシ(ケシ科)の葉に類似しているからと言われます。
 名が示すように、春から初秋にかけて黄色の花をつけるのがハルノノゲシ(ノゲシ)とオニノゲシ、夏から晩秋にかけて白色ないしはクリーム色の花をつけるのがアキノノゲシです。
 

   ノゲシは世界中の至る所に帰化しているヨーロッパ原産の植物で、わが国にもかなり古い時代に中国を経由して渡来した史前帰化植物だそうです。

  

 オニノゲシの渡来は比較的新しく、明治時代と考えられています。

  
 ノゲシとオニノゲシとは草姿かなり似ていいるので見分けるのが難しいのですが、ノゲシでは葉の質は柔らかく、鋸歯の先端が棘状になったものでも刺さらないのに対して、オニノゲシでは棘があり、全体に荒々しいということで区別できるとされていますが、実際にはその中間型などもあって困難なことも少なくないのです。

 今年、集中的に調べたところでは、私の生活圏の各所で見られるものの殆どがオニノゲシの形態を示すものであって、、ハルノノゲシの特徴を持ったものが見られたのは数箇所のみで、圧倒的にオニノゲシが優位であることを知りました。