とげなし山椒としては植栽されている朝倉山椒がよく知られていますが、秋田の山に自生した
とげなし山椒を離れた2ヶ所で見ることが出来ました。
5月14日「山野草の観察会」で鹿角市の山深い湯瀬渓谷添えを歩いていた時、散策道に覆い被さ
る様に伸びた山椒には棘が生えていないと仲間が見つけて教えてくれました。
葉腋に蕾が見られましたが、未熟で雌雄の別は明らかではありませんでした。
前のことがあったので、5月19日、通勤の際に時々通うことのある三種町の山道の傍の林縁に生
えている数株の山椒を丹念に調べたところ2株,いずれも雌株、にも棘が無いことに気付きました。
葉腋に付いた花は既に散っていましたが子房が付いておりました。
あたりに生えていた雄株の若枝とを比較したのが下の画像ですが、棘の有無の他は殆ど違いは見
られませんでした。
日本各地で棘のない山椒(実生)が栽培されているようですが、これらの山椒は栽培とは全く
無縁の山の中の環境に生えたものですから棘ナシ品種と考えても良いでしょう。