花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

とげなし山椒

2017-05-19 11:02:01 | Weblog

  とげなし山椒としては植栽されている朝倉山椒がよく知られていますが、秋田の山に自生した
とげなし山椒を離れた2ヶ所で見ることが出来ました。 

  5月14日「山野草の観察会」で鹿角市の山深い湯瀬渓谷添えを歩いていた時、散策道に覆い被さ
る様に伸びた山椒には棘が生えていないと仲間が見つけて教えてくれました。
  葉腋に蕾が見られましたが、未熟で雌雄の別は明らかではありませんでした。

    

  前のことがあったので、5月19日、通勤の際に時々通うことのある三種町の山道の傍の林縁に生
えている数株の山椒を丹念に調べたところ2株,いずれも雌株、にも棘が無いことに気付きました。 
  葉腋に付いた花は既に散っていましたが子房が付いておりました。 

           
                               

   あたりに生えていた雄株の若枝とを比較したのが下の画像ですが、棘の有無の他は殆ど違いは見
られませんでした。
 

  日本各地で棘のない山椒(実生)が栽培されているようですが、これらの山椒は栽培とは全く
無縁の山の中の環境に生えたものですから棘ナシ品種と考えても良いでしょう。 

 

  


ヤマアマドコロ

2017-05-10 11:49:44 | Weblog

 私は秋田県の各所で開花するアマドコロは北日本から北海道に多いオオアマドコロだろう
と考えていましたが、最近購入した藤原陸夫・阿部裕紀子著「北東北維管植物分布図」には
秋田県の地図上にはヤマアマドコロのみが記されているのを見て、今朝、出勤の途上3ヶ所
で標本を採取して調べてみました。

 

 ヤマアマドコロとオオアマドコロの違いについては、ヤマアマドコロでは葉の裏面小脈上
に細かい突起があることで区別できるとの記載がありますが、その画像を載せた記事は見ら
れません。
 アマドコロの葉の表面は光沢があり、裏面はわずかに淡緑色調ですが粉白色を帯びるほど
ではありませんし、触れても特にざらつきを感じません。

 裏面を接写して拡大して見ると小脈上に小さな突起が沢山見られます。

 更に、実体顕微鏡を用いてこの小突起を観察してみました。 


 微細なガラス円柱状の小突起が並んでいます。