世界中のムラサキ科は約150属、約2700種からなる大きな科で、日本には15属、35種が知られて
ると記載されています。
一般に花序はカタツムリ状、円錐状、散房状、花は小型で、5数性の皿状または筒状の合弁花冠で、
多くはルリ色の5数性で、雄しべは5個、雌しべは1個あります。
この中で、秋田県内で見ることの出来た下の9属、14種を供覧します。
一覧(属genusのアルフアベット順)
ハナイバナ属 Bothriospermum - ハナイバナ
ミヤマムラサキ属 Eritrichium - ミヤマムラサキ
キダチルリソウ属 Heliotropium - スナビキソウ
ムラサキ属 Lithospermum - ムラサキ, ホタルカズラ
ハマベンケイソウ属 Mertensia - ハマベンケイソウ
ワスレナグサ属 Myosotis - ワスレナグサ, ノハラムラサキ, ハマワスレナグサ
ルリソウ属 Omphalodes - ルリソウ
ヒレハリソウ属 Symphytum - ヒレハリソウ
キュウリグサ属 Trigonotis - キュウリグサ, ミズタビラコ, タチカメバソウ
ハナイバナ
各地の空き地とか耕作放棄畑など比較的乾いた場所に群生していますがハコベと見誤ることがあります。
ミヤマムラサキ
秋田駒ケ岳の砂礫地に見られた。花冠の色が淡紫色からほとんど白色のものまで多彩。
スナビキソウ 男鹿半島入道崎海岸の砂地の草地に見れれた。
ムラサキ(植栽)
嘗ては秋田県北部(旧南部藩領)には多く生育し、紫色染料とし使用されたようだが、現在では殆んど
絶滅寸前にまで減少してしまったらしい。
ここに載せた写真は岩手県滝沢市の農家の屋敷内に植栽されていたものを写させて貰ったものです。
ホタルカズラ
男鹿半島の寒風山、入道崎の草地など数カ所で見られる。
◎ ムラサキ属に入れられているムラサキとホタルカズラとは花冠の色は違っていてもよく似ている。
ハマベンケイソウ
数カ所の海岸の砂地で見られる。
ワスレナグサ ノハラムラサキ ハマワスレナグサ
何れも観賞用に持ち込まれた帰化植物。
ワスレナグサ
ノハラムラサキ
ハマワスレナグサ 3種の中では最も小型
ルリソウ
秋田市下浜羽川舘跡で撮影
ヒレハリソウ(コンフリー)
観賞用に持ち込まれた帰化植物。逸出して各地に生育している。
◎ 形態が属の違うハマベンケイとよく似ている。
キュウリグサ
◎ よく似たノハラムラサキと同じ場所に生育していると区別が難しいこともある。
ミズタビラコ 羽後町田代で撮影。
タチカメバソウ 五城目町湯ノ又で撮影。
◎ ミズタビラコとタチカメバソウとは水辺に生育していて良く似ています。