花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

ポーポーの花

2014-05-16 13:16:29 | Weblog

 10年ほど前に知人からポーポーの木から熟して落ちた果実を数個戴きました。
熱帯産果実の様な強烈な香りを発する割には甘味は薄く、熟し柿のような奇妙な味覚
は若い頃台湾で勤務していた頃よく買って来て味わっていたドリアンとか釈迦頭(蕃
荔枝)が思い出され、とても懐かしい味だったのです。
 調べてみたら、ポーポーは北アメリカ南部原産のバンレイシ科の落葉小低木で南ア
メリカ原産の釈迦頭とは近縁種だと知って納得しました。
 その時、庭に植えておいた種が発芽して5本が成木となり数年前から沢山の花を付
けるようになったのですが、これまでなぜか殆どが結実せずに落花してしまいました。
雌雄同株で両性花のこの木でも同一の木の種から育った木では近縁過ぎて受粉が成立し
ないためだろうと諦めていたところ。昨年一個だけ実を付け熟しました。



 若葉が展開する前に幹に多数下向きに付ける花は直径4~5cmの大きさで、萼片3枚、
花弁6枚の暗褐紫色の見栄えのしないものです。花柱を雄蕊が球状に取り囲んでいて、
完全に開花した花には沢山の花粉が作られています。

 
 今年も5本の木全部に沢山の花を付けましたので何とか果実にまで保っていきたい
と考え、この花粉を綿棒に付けて受粉を試みていますが、その結果は後日報告します。

 上の画像は開花したばかりの花と、数日経過した花の花弁をむしり取り花柱とそれを囲
む雄蕊を示したものです。熟花では花粉が散乱しています。 


クロモジ茶

2014-05-07 15:56:19 | Weblog

 5月3日職場の登山同好会の皆さんと今年最初の足慣らしということで男鹿半島の
毛無山(877m)に登り、残雪がのこる新緑の橅林や日本海の素晴らしい眺望を満喫
することができました。
 毛無山頂上について昼食を摂る段になると、女性達がその辺りに生えたクロモジの
木の新芽を摘んでなポットの熱湯を注いで作ったクロモジ茶を配ってくれました。
 私にとっては初めて味わう独特の芳香と、カモミールに似た味のするクロモジ茶に
すっかり魅了され帰宅するとすぐ近くの里山からクロモジの芽を摘んできて作ってみ
ました。
 

  秋田では何処でも見られるクロモジはクスノキ科の落葉低木で、早春小さな淡黄色
の花を多数つけるため観賞用に稙栽されることもあるそうです。


 全体から芳香を発するため昔から和菓子の爪楊枝の材料に使われることは知って
いましたが、若芽をハーブとして用いることは今回初めてしりました。
 薬効については、湿疹、アレルギー、アトピー性皮膚炎に有効などと書かれていま
すが、飲んだあとの口内に残る爽快感は他のハーブと同じです。

 

 

 

 

 


ウコギ ご飯

2014-05-05 19:43:32 | Weblog

 私の生まれ育った福島県の僻村の茅ぶきの家はうこぎの生け垣で囲まれていて、
幼児期の私には祖母がこの芽を摘んで作ってくれる“うこぎご飯”大好きで、うこぎ
が芽をふくこの時期になると私を可愛がってくれた祖母のことが想いだされます。
    私が7歳の時に急性肺炎に罹り、必死に看病してくれた祖母が直後
      に感染して、あっけなく亡くなりました(昭和15年3月24日)

 この幼児期の記憶が懐かしく、25年前秋田市に家を新築した折、福島の実家の
生け垣の株元に出ていたうこぎの子株を切り取ってきて我が家の敷地の端に植え、
毎年この時期にはうこぎご飯を炊いて祖母をしのびつつ食べています。 

 
 うこぎヒメウコギ)は古い時代に中国から移入された薬用植物で、生垣などとして
稙栽されていたものが全国に広がり野生化したとのことです。
 山形県米沢地方では江戸時代に上杉鷹山公が領民に食用として稙栽を奨励したことも
あって現在でもよく食べられているそうですが、米沢に隣接した福島でもその影響が伝
わっているのかも知れません。
 山野草を求めて秋田県内を歩くようになてみると、うこぎは秋田県内でも時々見られ
ることが分かりましたが、うこぎを食べるという習慣は全く無いことも知りました。

うこぎご飯
 5小葉が開いたばかりの新芽をもぎ取り少々食塩を加えて沸騰した鍋に入れてさっと
茹で⇒引き揚げて冷水に晒して⇒水を絞り⇒小さく刻んでおく。
 薄い塩味を付けて炊き上げたご飯に⇒刻んだうこぎをかき混ぜて⇒しばらく蒸らして
出来上がりです。


 


 
 炊き立てはウコギの緑が鮮やかですが、時間の経過とともに褐色に変わります。
しかし、食感は不変です。

  五加皮酒
 中国の薬酒。五加皮(ウコギ根の皮)・陳皮(ミカンの皮)・当帰などの
抽出成分を加えて蒸留酒。滋養強壮作用があるとされる(大辞林より)。