2016-6-19『イボタノキ属の3種』では、私の行動圏で見られるイボタノキ属3種の違いについて書きましたが、今回はイボタノキとミヤマイボタ2種の果実とその中の種 子とについて書いてみます。
なお、近くで見られるオオバイボタには今年なぜか実をつけていませんでしたので後日少し離れた場所にある木で観察してみたいと考えております。
イボタノキ属では花は円錐花序となりますので球形果実も円錐状の房となり暗紫色に熟し、粉白色を帯びブドウ属を小型にした様に見えます。
果実はイボタノキでは7〜8×6〜7mmほどの楕円球形で、ミヤマイボタはそれよりもやや小さい球形です。 実態顕微鏡による拡大
果実の表皮を破ると紫色の少量の果肉に包まれた褐色の種子1個が出てきます。
この種子を水中で潰して果肉を洗い流すと濃い紫色の色素が溶出してきます。
熟した果実は美味しそうに見えるのですが果肉はかすかな甘味と苦味とがあるのみです。
種子を実態顕微鏡で拡大して見ると、表面が粗造で襞の多い褐色のアーモンドを小型にしたような形をしています。