栽培アヅキとヤブツルアズキとの交配雑種は多様な形質を示すため固定種としての名称(種名)は与えられず、ノラアヅキ(野良小豆)乃至は雑草アズキとして一括されていると理解しております。
市販されている栽培アヅキとヤブツルアズキの種子を並べてみました。
現在、秋田県北部ではアズキ栽培を見かけることが殆んど無いのに、何故か耕作放棄畑とか草地(古い耕作放棄畑?)にはヤブツルアヅキの他に、ノラアズキの繁殖した所が多く見られます。
蓋し,これらの地で嘗てアヅキ栽培が行われていたのかどうかは知る由はありません。
ヤブツルアズキとノラアヅキとは蔓の有無だけで分けているのですが、ノラアズキとしたものは種子の大きさや色には下に並べたような栽培アヅキによく似たもの(大きさに差がある)からヤブツルアヅキに似たもの(蔓が無いという違いだけ)まで多様です。
今回は、これらノラアヅキの中でもっとも多く採集される左から2と3番目の褐色から黄褐色の種子だけを使ってご飯を作ってみました。
種子は一晩水に漬けて湿潤状態に戻し、鍋で十分な水を加えて豆が指で押しつぶせる程度まで煮て、米に煮汁と一緒に加えて、薄い塩味を付けてノラアズキご飯を炊き上げました。
ご覧の如く、見かけはアヅキご飯と全く同じ赤飯で、厳格に比較したわけではありませんが、食味もアヅキご飯と違いがないように思われますし、食後に消化器の違和もありませんから十分食用には耐え得るとは思われるのですが、無論、飽くまでお遊びの域を出ません。