新型コロナウイルスの第3波が日増しに勢いづいている。昨日も東京などが過去最多の600人を超す感染者が出て、全国合計でも3000人に迫り、連日最多を更新している。
北海道の旭川市の病院では、看護師が不足したため遂に自衛隊から派遣を受けたが、大阪でも、知事が災害救助法による自衛隊看護師の支援を求め、防衛省はこれに応じた。
東京、大阪、名古屋など大都市をはじめ全国で18都道府県が、ステージ4の内3と医療危機の瀬戸際に立たされている。
このまま推移すると、これから厳寒の冬場を迎え、年末年始の人の動きが活発になり、至る所でクラスターの発生や、施設内、家庭内の感染の危険性が増幅、さらなる医療危機が危惧される。
そのため、各自治体では、年末年始はできるだけ不要不急の外出を自粛するよう啓蒙に努めているが、そう言われなくとも、ほとんどの国民は、極力巣ごもりを続けなければならないと自覚しているはずだ。
年末年始の買い物や、神社仏閣の参拝、あいさつ回り、新年会、忘年会の自粛など、総てでグッと縮小している状態だ。
取り分け、毎年大勢の参拝者を受け入れている神社仏閣では、混雑の回避にさまざまな工夫を凝らして、可能な限り密生状態にならないよう準備に懸命だ。
例年、風物詩になっている都会から故郷への帰省についても、今年は、自粛する人が多く、各交通機関や高速道路は、余り混雑状態にはならないだろう。
さて、そんな中でGo-Toトラベルをこのまま続けるか否かである。政府は、Go-Toトラベルを来年6月まで延長することを決めた。
菅義偉首相は、Go-Toトラベル由来の感染者は極少ないので、第3波はGo-Toが直接の原因ではないと頑なに否定している。
しかし、第3波の感染経路は不明という事例がますます多くなっていて、果たして、Go-Toがどこまで感染に無縁と言えるのか確証はない。
例え、直接的には、Go-Toトラベルで感染しなくとも、広域に渡り人が往来することには変わりがなく、間接的に感染の原因になっている可能性は否定できない。
政府の感染対策分科会の尾身会長も、遠慮がちながらGo-Toトラベルの一時停止を提言している。また、世論も80%が一時停止を求めている。
政府の経済対策のためだけではなく、実際に死活問題になっている観光関係の諸業者のために、Go-Toトラベルの続行をまったく否定するものではない。
しかし、現状の厳しい状況に鑑み、これらの業者には、再度の救済処置を講じながら、先ずは感染防止に全力を上げるために、Go-Toトラベルの一時休止、飲食店の長時間営業の自粛を求めざるを得ないのではなかろうか。「関連:12月10日」