6年前に種子島から発射し、1年前に小惑星「リュウグウ」から、砂が入っていると見られるカプセルを積んで帰路に就いた探査機はやぶさ2は、12月5日午後2時半ごろ、地球から約22万キロの地点からカプセルを切り離した。
その後、はやぶさ2は科学エンジンを断続的に噴射し、地球に突入する軌道から大気圏のすぐ外を通り抜ける軌道に入った。
今後、100億キロ先の地球と火星の間を回る直径30Mという超小惑星1998KY26に向かい、2031年に到着する見込みだ。
はやぶさ2から分離されたカプセルは、5日午前2時28分ごろに大気圏に突入し、オーストラリア上空で流星のような火球となって輝いた。
その後、高度10キロ付近でパラシュートを開き、午前4時47分にオーストラリア南部のウーメラ近郊の砂漠に着地しているのが見つかった。
カプセルは、発見場所からヘリでウーメラの活動拠点へ運搬、まず洗浄し、カプセルの中の気体を採取する。
カプセルは早ければ7日にオーストラリアからチャーター機で出発し、8日に日本へ到着する予定だ。
はやぶさ2の総事業費は289億円、炭素や窒素の豊富な小惑星「リュウグウ」から持ち帰った砂を検証し、地球の有機物と比べることで、生命の材料が宇宙から来たのではないかと言う説を確かめる。
はやぶさ2を運営している宇宙航空研究開発機構(JAXA)の津田雄一プロジェクトマネージャーらは、はやぶさ2からカプセルの切り離しに成功した際、「分離は完璧、おめでとう」と何度もガッツポーズし管制室は喜びに包まれた。
はやぶさ2の快挙は、小惑星探索で世界のトップを行く日本の真骨頂を示し、新型コロナ禍に沈む日本中に明るいニュースをもたらせた。「関連:2019年7月12日」