北朝鮮が、アメリカのトランプ大統領の目を向けさせようと、ここへきて、いわゆる飛翔体の打ち上げを連発している。
先日は、小さいのを20発、今回は、それよりちょっと大きいのを2発打ち上げ、それが日本海に沈んだ。
トランプ大統領は、金正恩委員長を信頼しているので、今回の打上げは大したものではなく、金委員長は、ミサイル打ち上げはしないという約束を履行していると、表面上は冷静さを装っている。
北朝鮮も、2回にわたる打ち上げは、通常の訓練によるもので、大規模なミサイル発射ではないと言っている
しかし、米朝が言っていることをそのまま受け取ることはできない。北朝鮮は、先の米朝首脳会談が実質的に物別れに終わり、アメリカから何も得られなかったことに対し、少なくとも、制裁処置の解除を求めたものと考えられる。
一方、アメリカは、トランプ大統領の周辺にいるポンペイオ国務長官や、ボルトン大統領補佐官が強行策を変えていない中で、北朝鮮の行為に対し、無視を決め込んでいるが、これ以上のエスカレートは望んでいないだろう。
安倍晋三首相は、北朝鮮の2度に亘る飛翔体が、日本海に落ちたのにもかかわらず、「我が国の安全の脅威にはならない」と述べている。
一時の、中型ミサイル発射に比べると、今回の発射は小型なので大したことはないと踏んでいるのだろうが、それにしても、以前は、今にも北朝鮮が攻めてくるような政府見解を出し、国民の不安を駆り立てたのに、一転して、何とも危機感のないコメントだ。
その理由は明確だ。北朝鮮をめぐる6カ国協議参加国の中で、金委員長と接触していない国は日本だけになった。
盟友と自認しているトランプ大統領には頭越しに先んじられ、先だってはロシアのプーチン大統領も、金委員長と首脳会談を済ませた。
焦った安倍首相は、こともあろうに「無条件で話をしたい」と全面降伏の白旗を上げたばかりで、北朝鮮を批判するなどとんでもないという程の変わりようだ。
北朝鮮は、日本との首脳会談をやっても良いと思っているらしいが、初めから北朝鮮に足元を見られている中での会談では、拉致問題を中心に核心に触れた内容になるのか、甚だ疑問だ。
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