正さん日記

世の中思いにつれて

東電強制起訴、2審も無罪 責任者不在に怒りの声

2023-01-19 10:58:46 | 政治

 1月18日、東京高裁は2011年3月の東北大震災の際発生した東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(82)ら東電旧経営陣3人を無罪とした

 2019年9月に東京地裁1審の無罪判決に続くお咎めなしの判決で東京・霞が関の高裁前に集まった被災者らからは「誰が責任を取るのか」などと怒りの声が上がった。

 これとは別に、2022年6月の避難者民事訴訟では、最高裁が国の責任を問わない無罪判決を出したが、同年7月の株主代表民事訴訟で、東京地裁は東電幹部5人の責任を認めその内4人に対し13兆円余りの支払いを命じた。

 これら刑事、民事裁判は、大地震の際経営陣が国の基準に沿って原発を防御するための措置を行っていたのか否かの責任を問うものだ。

 東電は、政府の地震調査研究推進本部による地震予測「長期評価」を基に2008年に最大15.7Mの津波が原発周辺を襲うと試算していたが、実際にはそれを防御するための措置を行っていなかった。

 刑事裁判の一審は政府の地震予測の信頼性を否定し「津波は予見できなかった」と判断、2審は一定の信頼性は認めたが異論もあり結局1審の判断を支持した。

 しかし、民事裁判では、経営陣が防御措置を怠ったとして有罪判決を下しているのと矛盾している。

 事故が発生した場合の会社の責任を問う裁判は、過去、様々な形で結論が出ているが、会社との因果関係が明確になっているもの以外は、極めて判断が難しい。

 しかし、東京福島第1原発事故は、今後の原発政策にも大きく影響する。民事、刑事訴訟の今後の推移を注目しなければならない。

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