安倍晋三首相がアメリカ議会上下両院合同会議で演説した。日本の首相がアメリカの両院議員の前で演説するのは初めてのことらしい。しかし、イギリス、フランスは過去に8回、韓国も6回呼ばれているので、初めてとは親米をモットーにしている日本としては、若しかしたら片思いになっているのかもしれない。
英語で40分間の演説だったが、中味については概ねアメリカとの共存共栄、日米同盟の深化、TPPで経済提携などを中心に、アメリカ側が、くすぐったくないのかと思うような美辞麗句のオンパレードだった感じだ。
その反面、第二次大戦の反省については、ついに「侵略とお詫び」の言葉が入らず、一部のアメリカ議員や政府要人を含め、中国、韓国など失望させた。
また、核兵器廃絶への思いや、沖縄の辺野古基地建設に対する同県民の反対についてはまったく触れられず、若しかしたら少しぐらいは言葉に出すのではないかと淡い期待を抱いていた多くの国民をがっかりさせた。
第二次大戦の反省については、歴代の首相の発言と思いは一緒だと言っておきながら、実際には肝心な言葉を口に出さない安倍首相から、本気を感じていない中国、韓国からさっそく非難の声が上がっている。
安倍首相は、先のバンドン会議でも同様に戦争責任やお詫びの言葉をはっきり言わなかったが、今回の演説でも同じような内容で、この2回の演説が、終戦70年に当たり出されると言う首相談話に反映されると言われており、このままでは、新しく発信される首相談話が、さらに中国、韓国とのあつれきを深める可能性が高い。
国民は決してそれを望んではいない。経済、文化の交流など、近隣の中国、韓国との友好関係の発展が不可欠と思っている国民にとって、それを自ら阻害するような首相は要らない。「4月25日」