先に菅義偉官房長官と沖縄翁長雄志知事との初めての会談が行われ、翁長知事がこれまで政府が会談を遅らせてきたことを非難し、併せて菅官房長官が辺野古移設建設について度々使う『粛々(と進める)』という言葉から上から目線を感じると批判した。
これに対し菅氏は、翁長氏がそのように感じるならば以後この言葉は封印すると述べた。ところが菅氏の上司に当たる安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で、野党議員の質問に対し、辺野古移設は「既にある法令にのっとって粛々と進めている」と答弁した。
安倍氏は当然、菅氏が「粛々」は封印すると語ったことを知っているはずなのに、参議院予算委員会でこの言葉を使ったことは何気なくではなく、敢えて使ったのではなかろうか。
彼の意思の中には、官房長官が使わないと言っても、上司に当たる俺までそれに従うことは無いと言う認識があることは間違いない。
また、わざわざ「粛々」を使ったのは、翁長知事に対する面当てをした可能性が強い。そこに何時もながら安倍首相の幼児性を感じるとともに、沖縄に対する正に翁長氏の言う「上から目線」の姿勢が有りありだ
安倍首相が、沖縄県民の民意は辺野古移設に反対だが、政府としてはどうしても移設を図りたいというのであるならば、もっと沖縄県民の気持ちに寄り添い、真摯に知事を説得しなければならない。
それを避けるだけでなく、わざわざ翁長知事が指摘した「粛々」という言葉を用いたことは、知事の言うとおり、正に政府の上から目線の強引なやり方を立証している。
これでは翁長知事はもとより、沖縄県民はますます安倍政権から心が離れていくだろう。せっかく、番頭の官房長官が、上手くやるために一歩譲ったのに、それが分かってか分からずかの安倍首相の言動から、人柄の悪さと、世間知らずの坊ちゃん性を感じる。「関連:4月5日」