正さん日記

世の中思いにつれて

株価2万円台回復は手放しで喜べるのか

2015-04-11 16:18:21 | 経済

 4月10日、日経平均株価が15年ぶりに一時2万円台を回復した。株価が上がった理由は外国人買い、日銀、年金積立金管理運用独立行政法人(JPIF)らの公的資金、世界的な金融緩和政策による潤沢な資金運用など好条件が重なったからだと言われている。

 特に外人買は、日本政府がアベノミクスの腰を折らないため、日銀の超金融政策の続行やJPIFの運用比率を株式投資にマックス25%に引き上げたことや、安倍政権の長期化を見通した展望に立ったことによるもののようだ。

 しかし、実体経済からみると、設備投資の停滞などから必ずしも株式上昇に結びつくものは見当たらないようだ。また、株価が上がったと言っても、その効果は12%程度の一部の株主に偏りそれが日本経済の再生へ繋がっているとは言えない。

 極言すれば、現在の株式市場は官制によるマネーゲーム化しているとも言え、今後、アメリカが何時金融引き締めへ舵を切るかも分からず、それによって世界的に資金が逼迫すれば、その跳ね返りが株式市場に大きく影響することも危惧されている。

 今回の2万円台回復について、菅義偉官房長官が「よくぞここまで」と手放しで喜んだとおり、アベノミクスの成果をなんとか国民に認めてもらいたい安倍政権にとっては「してやったり」と言ったところだが、大多数の国民にとってその恩恵は直接関係なく、政府や大企業、一部投資家、外国人投資家などが歓喜しているだけだろう。

 また、株価上昇の裏には、反落になると必ずババをつかまされる零細投資家もいることも忘れてはならない。政権が、株価に一喜一憂しているような状態が果たして正常なのか考えさせられる。

 

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