先に、安倍晋三首相の要請を受けて一部電気産業、自動車産業等でボーナスの増額が約束された。また、春闘で中小企業も金額はともかくもベースアップが行われたと聞く。ただ、この状況はまだ一部に止まり、全産業に満遍なく行き届いたものではない。春闘は、これからだから、終わった段階でどのような結果が出るのか。安倍首相ならずとも実績が気がかりだ。
ところで、安倍首相が要請したら、ボーナスが上がり賃上げが行われたとされるが、これでは労働組合は立つ瀬が無い。今までは、組合が幾ら要求しても、経営者は一円の賃上げもしなかった。組合もいやに分かりがよく、賃上げより雇用を守るとか言って、それ以上の追及をしてこなかった。
それが、首相が要請したら、経営者があっさりそれに応えのだから、なんとも腑に落ちない。やっぱり企業は、今まで賃上げが出きるのにそれを行わず、その分を内部留保として溜めこんでいたのだ。一方、今まで、企業に対する組合の追及が弱かったことも事実だ。こんなことでは、くすぶっている組合不要論がますます助長される。
その組合が参加している連合が、凋落した民主党に見切りをつけ、自民党にすり寄ったと聞く。連合は、春闘の主役を安倍首相に奪われた格好になっているのに自らを恥じず、何ら屈辱を感じていないのかと、ますます、ふがいなさに組合員の落胆が眼に見えるようだ。
その連合は、7月の参議院選挙に組織内候補者9人を擁立するとのことだ。まさか自民党から出る分けではなかろう。「関連:3月17日」