中国北京の人民大会堂で行われた全国人民代表大会(全人代)で、昨日、習近平総書記が国家主席、李源潮氏が副主席に選ばれ、今日午前に李克強氏が首相に選出された。また、明日16日には、副首相や国務委員(副首相級)、閣僚が決まり、今後5年間、中国のかじを取る「習・李体制」が本格始動する。
習近平出席はいわゆる太子党出身、昨年11月の共産党大会で、総書記と党中央軍事委員会主席の地位に就き、今回、国家主席に就任したことで、党、軍、政府の総ての権力を握った。 二代前の江沢民氏や先代の胡錦涛氏は、国家主席や軍事委員会主席に直ぐには就けず、総書記になった後も全権を握った分けではなかった。習氏は全権を譲られ、やりよい立場になったことは間違いないが、反面、国内外の情勢が緊迫している中で、さっそく、その責任と手腕が問われることになった。
また、新首相に就いた李克強氏は、胡錦涛前主席と同様、共産党青年団(共青団)出身で、党内序列も習氏に次ぐナンバー2の地位にあり、河南省党委書記、遼寧省党委書記などを歴任。2007年に最高指導部である党政治局常務委員入りし、08年に筆頭副首相に起用された。温家宝前首相は、平民首相などと言われたが、10年間で目立った成果はなく、最近は身内の汚職もあったりして、評判を落とした。習主席とライバル視されている李首相の行政手腕が問われている。
(写真:全人代の全体会議で新首相に選出され習近平国家主席(右)と握手をする李克強氏)「関連:2012年11月24日」