正しい食事を考える会

食が乱れている中どういう食事が正しいのかをみんなで考え、それを実践する方法を考える会にしたいと思います。

米と麦の戦後史ー学校給食の裏面史 「アメリカ小麦戦略」からー4

2010-07-03 | 食事教育
 アメリカは生産過剰となった小麦やとうもろこし、大豆を日本に売りつけるためにいろんな戦略を立てました。

それについてのNHK特集が2本あります。
その一つが「食卓の陰の星条旗ー米と麦の戦後史ー」です。このタイトルが意味するのは、日本人の食卓、そこには「アメリカの輸入品がほとんどです。食糧自給率は低いですよ。」と言っているのです。

このNHK特集は何度も放映されました。インターネットを探すとDVDを譲るという方もいましたが、いまではアーカイブで見られると思います。是非DVDに録画して食生活改善の勉強会に使って欲しいと思います。

このNHK特集を作成された方が高嶋光雪さんでその主催内容を本にしたのが「日本侵攻 アメリカの小麦戦略」です。
これは家の光協会から出版されましたが、今は絶版になりました。

この本は、日本の食事がなぜこのようにおかしくなったのかの原因を探る場合その経緯を示しているのです。日本の食生活に係わる仕事をする人は必ず読まなければならない本です。
この本が絶版になった(大きな図書館には有ります。町の図書館になくても、頼めば取り寄せてくれます)ことを知った鈴木猛夫さんが、この本を絶やしてはいけないと「「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活」と言う本を書かれました。

その概要が幕内秀夫先生の「学校給食と子供の健康を考える会」に「学校給食の裏面史 「アメリカ小麦戦略」と投稿されています。

小松先生はお亡くなりになりましたが、私は小松先生の遺志を受け継いでアメリカの小麦戦略の実態を多くの方に伝える働きをしたいと思っています。

そして、日本人のこの乱れた、おかしくなった食生活を正しくするためにどうしたらいいのかを考えました。

そこで考えたことが、食生活には原則があると言うことでした。

その原則は、米の国日本人がアメリカの農産物である小麦を食べることは食生活の原則に有っていないのです。
どういう食事の原則があるのでしょう。

それはこのブログに書いています。例えば身土不二と言う原則です。もっと分かりやすく言えば地産地消です。

今、国は食育を言いだしています。その食育は何のために、と言うと事で私は、官僚が何か問題点を見つけて最もらしく仕事をしているように見せかけて、公益法人を作って、天下り先を作っている、偽の食改善推進派で、密かに、アメリカの農産物の消費拡大に寄与している連中が進めているものと考えます。その点で現行食育関係者が進めている食育は、栄養素学を正しいとして実施しようとしている、一見正しそうに見えるが、その実はアメリカの小麦戦略の線上にあるものです。

その証拠は独楽の形のフードガイドを見て下さい。主食はパン、めん、ごはん、砂糖の何でも良いのです。となるとパン屋さんはパンを食育の名の元に勧めます。めん屋さんは めんをどんどんすすめます。肉を勧め、牛乳を勧め、乳製品を勧め・・・ごはんも忘れずにと言っているのです。

パンもめんも原料は小麦です。輸入食品です。日本人には必要なんですか。食料が足りないのですか。
何故学校給食でパンやめんを出すのですか、(この答えがアメリカの小麦戦略に書かれているのです)

お陰でお米は余り、生産調整しても余り、値下げしても余り、とうとう所得補償方式などと農家を誤魔化し民主党に票を入れさせ衆議院選挙で圧勝しましたが、本来の農政は、主食はごはん、を徹底することが大切なんです。米の消費拡大アメリカとの対決は姿勢が必要なのですが、そこの手を打たずに、生産調整をもっとさせる仕組みになりかねないのです。日本農業は破壊されてしまいました。このことはアメリカに取って二重三重に都合が良いことです。
(1)恒常的にアメリカ農産物の輸入国になる
(2)もう二度とアメリカに逆らうことをさせない
(3)日本の戦力(食糧は大切な戦力で、食糧自給率向上は戦力状態切なことなのです)

この米と小麦の関係は、諫早湾と同じ、水門を開くか開かないか、小麦を食べないように教育する化しないか、似たような問題が出るのです。つまり利害関係者がいるのです。小麦で生活している中で麦を食べるな、米を食べよと言うことはパンめん業者圧迫になるのです。(小麦を勧める特は米業者を圧迫したのです。米を食べると頭が悪くなる、肥えるなど偽の情報を日本国政府が流したのです。日本の米を不要だと言っているのと同じ行為をしているのですがそう言う人もいるのです。

アメリカの余剰農産物と言えばトーモロコシがあります。これもアメリカでは生産過剰でそれを日本に売り込んだのです。その内容がNHK特集「それは一頭の牛から始まった」(記憶が正しくありませんがそのようなタイトルだったと思います)です。

この内容は、日本人に肉を食べさせる作戦です。肉を焼いて試食させればその美味しさに日本人の脳はしびれました。美味しいのです。そして「蛋白質が足りないよ」といって、日本人の体格の悪さを蛋白質のせいにして、欧米人のようになるためにどんどん肉を食べさせたのです。肉を食べるとその肉の10倍くらいの穀物が消費されるのです。
と言うことで肉や油を消費する戦略も立てたのです。

悲しいことに私はこの関係の会社に就職して、家畜の飼料を輸入し配合飼料を生産・販売したのです。その当時は日本人に対して正しい食事の指導をしていると信じていました。その結果が食の欧米化で問題になるとは思ってもいませんでした。

こうして日本の食事は粉食、肉食、脂肪の多い食の欧米化というものに進みました。

つまり、アメリカの余剰農産物を消費するように食改革された日本人がいるのです。

それは正しい食事ではありません。
では何が正しいのか、そこを考えているのがこのブログです。

「正しい食事を考える会」です。ただし、この頭に「日本人にとっての」とつくのです
。「日本人にとって正しい食事を考える」会です。食事は身土不二、その土地土地の食事が正しいのです。


アメリカの小麦戦略を小松先生の資料で勉強します。

学校給食の裏面史 「アメリカ小麦戦略 No.6」(後編) 鈴木猛夫

バウムはまず日本人にアメリカ小麦によるパンや麺類、ケーキなどの味を覚えさせることが必要と考え、キッチンカーを日本中に走らせることにした。キッチンカーとは大型バスを改造してプロパンガスから調理台まで一切の台所用具を積み込んで、野外でも料理講習会が出来るようにした料理講習車である。

この車は当初は厚生省栄養課長に昇進していた大磯敏男氏が日本人の栄養改善を目的に走らせていたが財政難から運行の継続が難航していた。それにバウムが目をつけ日本の政財界に対する綿密な下工作の末、食材にアメリカ産の小麦と大豆を使うことを条件に新たに12台のキチンカー製造、運行継続に要する1億数千万円の巨費を日本側に提供し運行にこぎつけたのである。戦後の栄養改善運動の先がけとなる歴史に残る大事業であり全国の栄養士、保健婦が動員され各地でキッチンカーによる料理講習会が開かれ食生活の欧米化は一気に進んだ。
この事業は一般には厚生省の仕事として行なわれたものと解釈されていたが、実はアメリカ農産物売り込みの為の宣伝カーだったのだ。しかしアメリカの資金提供については内緒にされた。何故なのか。この点について栄養学普及のために永年活躍されてきた東畑朝子先生に尋ねてみたことがある。それに対して先生は「このことはみんな隠したがっている」と正直に答えてくれた。何故隠す必要があったのか。戦後日本人の食生活は短期間に急速に欧米化したが、実はこの「隠したがっている」事実にこそ大きな鍵が隠されているのである。


学校給食の裏面史 「アメリカ小麦戦略 No.7」(前編) 鈴木猛夫

昭和30年、日本はアメリカ側の提案による粉食奨励、定着化を図るための11項目の事業計画書を承認した。金額の多い順から
①粉食奨励のための全国向けキャンペーン費用として1億3千万円
②キッチンカー製作、食材費用に6千万円
③学校給食の普及拡大に5千万円
④製パン技術者講習に4千万円
⑤小麦粉製品のPR映画の製作、配給に3千3百万円
⑥生活改良普及員が行なう小麦粉料理講習会の補助に2千2百万円
⑦全国の保健所にPR用展示物を設置する費用に2千百万円
⑧小麦食品の改良と新製品の開発費用に2千百万円
⑨キッチンカー運行に必要なパンフレット等の作成費に千5百万円
⑩日本人の専任職員の雇用に千2百万円
⑪食生活展示会の開催に8百万円、である。

総額4億2千万円の資金がアメリカ農務省から日本の厚生省、文部省、農林省、財)全国食生活改善協会>、(財)日本食生活協会、(財)日本学校給食会等などに活動資金として配分され日本人の主食を米から小麦へと方向転換させる大事業が実行されたのである。ただこの額はアメリカ側から提供された活動資金のごく一部で、その全体像は今もって明らかではない。当時の関係者はその額、使途、目的などを公表すべきだと思う。この点がタブーとされ伏せられている為、食生活欧米化の真の原因が分からず、従って食生活の改善も出来ないままでいる

学校給食の裏面史 「アメリカ小麦戦略 No.7」(後編) 鈴木猛夫

戦後の日本人の食生活欧米化の発端は巨額な費用を注ぎ込んだアメリカ側の見事な小麦戦略であり、それは予期以上の大成功を納めた。パンを主食とするとおかずは自ずと肉、卵、牛乳、乳製品という欧米型食生活になる傾向がある。それらの食材の提供先はアメリカでありそこにアメリカの真の狙いがあった。前号で書いたように東畑朝子先生が「みんな隠したがっている」こととはまさにアメリカ側の資金で戦後の食生活改善運動が推し進められたというあまり知られていないこの事実である。戦後の改善運動ではパン、肉、卵、牛乳、乳製品等の摂取が勧められてきた。厚生省、栄養学者はそれらをバランスよく摂取するという欧米型食生活が正しいと信じ栄養行政に反映させ、栄養教育をしてきた。それは栄養学的にみて望ましいとされ(実際には大いに疑問があると筆者は思うが)、厚生省の管轄下にある各地の栄養学校ではそれらの食品の優位性が強調された栄養学が教育されてきた。「肉は良質な蛋白質である」「牛乳はカルシウムの吸収が良い」等々のように。しかし栄養学的に正しいから国民に教育してきたのだろうか。 

昭和30年代のこれらのアメリカ側の強引な粉食奨励策をみてくると純粋に栄養学上というよりも、アメリカの余剰農産物処理という政治戦略によって推進されたのである

食生活改善運動の理論的ささえとなってきたいわゆる現代栄養学を一生懸命教えてきた栄養学者にとっては、この日米一体となって推進してきた食生活欧米化の大事な原因についてはあまり栄養士の卵には教えたくないのが本音だ。だから現代栄養学の優位性をことさら強調する栄養教育が行なわれてきたのだと思う。国民にはもちろんキッチンカーに乗せられ一生懸命活動した栄養士、保健婦たちにもその資金の出所についてはほとんど知らされていなかったのである。「隠したがっている」事実こそ戦後最大の厚生省、栄養教育者のタブーであり、触れられたくないことなのだ。



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