「慰安婦」解決、法的責任・謝罪・財政支援を 韓国
- 2014/3/2 2:04
- 情報元
- 日本経済新聞 電子版
【ソウル=内山清行】韓国政府が日本との関係改善に向けて想定する旧日本軍の従軍慰安婦問題の解決策が1日、明らかになった。
(1)日本政府が法的責任を認める
(2)安倍晋三首相が謝罪する
(3)政府予算を使った何らかの支援をする――といった対応を期待し、河野談話など歴史認識の明確な継承も求める。
「法的問題は解決済み」とする日本政府との溝は深い。
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は1日、日本の植民地時代に起…
韓国3・1式典 どこまで続く朴大統領の反日(3月2日付・読売社説)
歴史認識問題を外交に持ち込む朴槿恵・韓国大統領の反日の主張がエスカレートした。日韓関係の改善はさらに難しくなったと言えよう。
朴氏は、「3・1独立運動」記念式典で演説し、歴史認識問題に関して、日本政府に「勇気ある決断」を求めた。
いわゆる従軍慰安婦問題について「(元慰安婦の)傷は癒やされなければならない」とも語った。朴氏が公開の場で、慰安婦問題を取り上げ、日本政府に解決を迫ったのは初めてである。
だが、個人補償を含め、請求権については、国交正常化の際に法的に解決している。
日本はその後、人道的見地から、アジア女性基金を作り、元慰安婦に対する償い金や首相によるおわびの手紙まで用意した。事業があまり進展しなかったのは、韓国内に、日本の法的責任追及にこだわる勢力があったからだ。
このような経緯を軽視して、日本にばかり責任を押しつける朴氏の主張は、理解しがたい。
朴氏は慰安婦問題で「歴史の真実は、生存者たちの証言だ」とも述べた。1993年の河野洋平官房長官談話の根拠となった元慰安婦の証言を検証する安倍政権の方針を牽制(けんせい)したのだろう。
しかし、元慰安婦の証言は資料的裏付けを欠く。米国内などでは韓国系住民らにより、この河野談話をもとに旧日本軍が少女を強制連行したと喧伝(けんでん)され、日本がおとしめられている。これはとうてい看過できない。
1年前に大統領に就任して以来朴氏は、外国要人との会談などで「時代逆行発言を繰り返す指導部のせいで信頼を築けない」といった対日批判を展開してきた。
歴史認識問題で、中国と共闘する構えなのも懸念される。
韓国にとって中国の重要性が増していることもあろう。韓国の対中貿易額は、日本、米国との合計額を上回った。訪韓人数も昨年、中国人が日本人を追い抜いた。
北朝鮮情勢への対応でも、韓国は日本を外し、米中韓で取り組みたいと考えているようだ。
米国は、同盟関係を軸とした日米韓の結束が乱されることに、いらだちを隠さない。日韓双方に関係改善を促している。
だが、朴氏が対日政策を転換することは、韓国国内で反発を買うだけでなく、対中外交上もリスクとなる。韓国の「反日」は当面変わるまい。日本はそれを前提としつつ、経済や安全保障面での協力は進めていかねばならない。
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