正しい食事を考える会

食が乱れている中どういう食事が正しいのかをみんなで考え、それを実践する方法を考える会にしたいと思います。

2013年01月03日 _BS1ザ外交2013,―第2部―混沌の世界経済―TPP加入について

2013-01-08 | 食事教育

2013年01月03日 _BSプレミアム_ザ外交2013,―第2部―混沌の世界経済―

キャスター 藤澤 秀敏

この中で、TPPについてバーナード・ゴードン名誉教授(ニューハンプシャー大学)にインタビューしていました。その部分を文書化しました。

藤澤:ゴードン教授の中国経済についての将来についての樂観論、さらに今後のアメリカ経済についての強気の見方を聞きますと、世界経済は今年はこの二つの国の経済が軸になりそうです。アメリカ経済についてはいわゆる財政の崖を乗り越えれば、今年後半にはしっかりした成長に向かうとの見方を他でもよく聞きました。こうした中で日本の対応が迫られているのが、TPP(環太平洋パートナシップ協定)の交渉参加問題です。国内で賛否両論がある中で、安倍政権の決断が注目されます。TPPの参加問題についてゴードン教授にインタビューしました。

 

質問:アメリカとアジア太平洋諸国はTPPを推進しており日本は参加に向けて関係各国の政府と事前の協議中です。tppはアジア太平洋地域にどのような影響を与え、国々の関係をどう変えていくのでしょうか?

 

ゴードン:まず、申し上げておきたいのは以前にWSTに書いたことですが、日本が参加しなければTPPに価値は無いと言うことです。日本抜きのTPPはさほど影響力のあるものにはならなりません。

藤澤:日本にとってのメリットは何でしょう?

ゴードン:メリットですか?

藤澤:具体的な

ゴードン:それは先ごろブルッキングス・ペーパーズ(アメリカのシンクタンク「ブルッキングス研究所」の報告書)で指摘したように日本経済がさらに解放されると言うことです。中国がWTOに加盟したがった時のことを思い出してください。当時中国の改革派の中には、加盟を望む人が大勢いました。それが中国経済を急発進する方法だと考えたからです。同様にTPPへの参加で日本の農業が解放されるでしょう。日本の産業の競争力を、より広い市場に向けて解放する助けになるはずです。さらに政治への影響もあるかもしれません。TPPに参加することで現在よりもっと広い経済活動への参加が促進されるからです。

日本サイドから見ただけでもこのようにさまざまなメリットがあります。極論すれ派TPPで日本が不利益をこうむることは無いでしょう。

藤澤:中国はTPPをアメリカが中国を封じ込めるための道具とみています。中国の懸念は正当なものだとお考えですか?

ゴードン:私がワシントンである会議に出席した時上海と北京から中国の政府関係者がやってきましたが、アメリカがTPPの議論に参加する以前のことでしたが彼らは既にそういうことを言っていました。中国人の認識は間違っています。TPPがどのようにスタートしたかを考えればわかることです。TPPはシンガポールとチリとニュージーランドが始めたもので、そこに政治的意図はありませんでした。ジョージ、w、ブッシュの政権下でアメリカがはじめてTPPに関心を示した時もそれは完全に貿易政策上の問題でした。オバマ大統領は2009年11月に正式に参加を表明したわけですが、この時も他の三か国との経済関係を深めることがアメリカの目的でした。昔から政治的意図があったと言う中国の言い分には何の歴史的根拠もありません。そのように考える理由は何もないのです。

藤澤:アジアではアメリカを加えない経済協力の動きもあります。一つは日本、中国、韓国の3か国による自由貿易協定、もう一つはRCEP(アールセップ)(東アジア地域包括経済連携)です。これらをどうみますか?

TPPとこのような連携構想の共存は可能でしょうか?

ゴードン:共存はできるでしょうが、TPPと比較できるものではありません。

TPPの協定はたしか26の省から成り立つ包括的なもので、国内の問題や政府調達などの取り決めもあります。中国が提案したその連携構想は11月のカンボジアの東アジア首脳会議で正式に始まったものですよね。アールセップと呼ばれましたがあれはもっと低いレベルの提案です。

かつて中国がASEANの数か国と調印したものによく似ています。

アイデアとしては良いのですが非常に限定的で3年以内に関税を引き下げることを目的としているだけです。それに対してTPPは10年間でほぼすべての関税を引き下げる、もしくは撤廃するという目標を掲げています。さらにTPPは各国の大企業だけでなく、国内の小さなグループも協定の枠組みの中に参加させようとしています。中小企業が輸出に乗り出すのを積極的に促進しようとする考え方です。それに比べると中国のモデルははるかに限定的です。もう一つの日中韓3か国による貿易協定は現時点ではあまり現実的とは思えません。

コミユニケーションの回線をつないでおく一つの手段として話し合われているにすぎないのではないでしょうか。真剣な提案だとは私には思えません。

藤澤:しかし、交渉開始には合意していますが

ゴードン:そうですねー

 

藤澤:2013年のTPP交渉はどうなるとお考えですか?オバマ大統領の再選は交渉に影響してくるでしょうか?ご存じのとおり合意の期限は今年に延ばされました。期限内に合意に達するとお考えですか?

ゴードン:それは日本が参加するかどうかによります。ここ1年ほど貿易政策はアメリカ政府にとって優先順位の高い課題ではありませんでした。しかし、オバマ大統領が最選された今、アメリカは再び貿易政策に重点を置くと私は考えています。

藤澤:なぜそのように

ゴードン:オバマ大統領はアメリカの輸出額を2倍にすると約束しているからです。貿易に関して良い実績を残したいとも述べています。大統領自身が実際に言ったことです。遠からず大統領は再びTPPに強い関心を示すようになるでしょう。交渉はきっとうまくゆきます。ただし、日本が参加すればの話ですが・・・

 

藤澤コメント:TPPは日本が参加しなければ無価値、そうゴードン教授は強調していましたが、これはアメリカの本音ではないでしょうか。貿易面では世界第三位の経済大国日本抜きでは規模が大幅に小さくなります。また、TPPで中国を牽制するにせよ中国に改革を促すにせよ、日本抜きでは効果は限られるからです。一方中国にはTPPに対して中国封じ込めの道具との不信があります。米中との関係をにらみながら、日本の国益、国の在り方を冷静に判断する時が来ています。


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