こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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すったもんだの訪問看護

2012-01-29 21:21:24 | 訪問看護、緩和ケア
いやはや・・
先週は、次々と問題が起きて、その収集に頭を抱える毎日でした。

そのせいか、すっかりお疲れモードになってしまい、夜になると目が明けていられないことが多くて、ブログ更新もままならず・・。

実は、今日は単位認定試験だったのですが、前日まで全然勉強もせず、読み返しもしなかったツケが回り、一つ・・・たぶん落としました・・。
時間配分と、集中力が足りない~。

そして、今まで1時間ほど、風呂上りにポカポカにしてうたた寝したら、やっと元気になりました。

やっぱり年ですわ・・。

どこの事業所もそうなのでしょうが、かなり難解な生活状況の患者さんが何件かあり、病状の変化に伴なっていろんな問題が起きてきます。
それが、一度に来た~!!という感じです。

長年の生活習慣や、人生そのものの考え方、それに経済状況や周囲の支援状況で、在宅生活そのものが危うくなることがあります。

その人を、どう支えるかは、担当者の看護感によるところも大きく、その方向がどこかで行き違ったりすると、一生懸命であればあるほど、担当者の気持ちも大きく揺らぎます。

うちは担当制なのですが、一人に複数の看護師が入ることも多く、それぞれが自分の分担であったり、その時の看護判断でケアをすることになります。

マイペースで我が道を貫いてきた患者さんをめぐり、どこまでお互いが譲歩できるか、何を支援するかで苦しんでいるスタッフがいました。

担当者会議で、納得できるような方向性がみつかららくて、自分の看護に自信を失ったり、チームとしての足並みをそろえることに困惑したり・・。

一人の患者さんをめぐって、二人のスタッフが涙を流しながら思いを伝えあえた時に、また新しい道を開くことが出来ました。
苦しんで、考えて、泣いて。
そして、やはりちゃんと伝える事。
言えなかった事、お互いちゃんと言えて本当によかった。

スタッフが、こんなに患者さんを思って苦しんだり、泣いたりしながら本当に看護と言える関わりをしていることが、とてもうれしくもあり、同時になかなかうまくフォローしてあげられない自分がすごくもどかしい週末となりました。

そのあいまにも、ご家族による介護拒否があり、どうにもうまく介入できないケースが、いよいよ厳しい局面に立たされてきました。
一般的な愛情表現とは違うけれど、確かに愛情はある。
けれど、それは明らかに常識から逸脱していて、ネグレクトであったり、アメリカであれば虐待として取り上げられるような環境下での特異な介護を強行しているのです。

医療期間への強い不信感による受診拒否、自己流の判断による危険な介護、劣悪な環境、寒さ、衰弱を受け入れられず、病状の悪化や、この環境では当たり前の褥瘡の発生、サービス事業者への攻撃・・。

日本は、変な意味で人権やら個人やらを保護する癖に、命の危険があるというくらいでは動かず、結局後の祭りになることが往々にしてあります。
ストーカー殺人なんて、警察のそういう体質によるものですし、子供の虐待もしかりです。

でも、これが老人になるともっと何もできないのです。

措置に関しては、緊急ショートくらいしか、行政は関われないのだそうです。

入院に関しては、ご本人に意志決定ができない以上、ご家族が了解されなければ、周りが入院が必要と言っても、検査が必要と言っても、どうにもなりません。

人間の尊厳は、どこで守られるのか。
愛情があれば、間違ったケアで悪化していくことを放置していいのか。

こういうケースを、誰がどういうかたちで救うのか・・。
答えがまだ見つからない状況です。

その他にも、数件の困難な展開があり、スタッフもかなり悩んでいます。

私たちは、どこまで関われるのか。
どこまで、介入すればいいのか。
見てしまった現実に、どこまで目をつぶればいいのか。
常識ってなんだろう。


社会の隙間に、誰にも知られず、置きざりにされている人たちが、たくさんいるのです。

それなのに、私たちはなんて無力なんだろう。