こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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受け継がれていくもの。

2012-01-06 23:43:00 | 訪問看護、緩和ケア
3日に次いで、今日また99歳のおばあちゃんが旅立って逝かれました。

うちのステーションでは、100歳前後の患者さんが、比較的多くいらっしゃいます。

けれど、その方々が少しづつ逝ってしまいます。

今、90才以上の方々は、私の感覚ですがみなさんすごく体力があるように思います。

全体に老衰と言われる経過はたどるのでしょうが、基礎体力と言うか、逞しさが現代の私たちに比べてはるかにあるように感じます。
それは、体力だけにとどまらず、精神力も合わせての強みに感じます。

「それは、年を重ねたから強いんだ。」と言われればそれまでなのだろうけれど、きっと今頑張っているご高齢の方が、私たちと同じ年齢だったとしても、やっぱり強いんじゃないかと思います。

明治、大正、昭和、平成と時代を生き抜き、その時代の波にもまれながら、ここまで生きぬいた強さは、頑固と言う言葉と共に、「すごいな~。」という畏怖の念を抱かせます。

状態が悪化して、少しぐらい寝付いたかと思っても、突然回復して驚いたり、いよいよと思っても、そこからまたしばらく頑張れたりすることが多いようです。

もちろん、ここまで来れるのは元が元気だからなのでしょうが、それでもみなさん気力も体力もすごいです。

以前、私たちの年代は、そんなに長生きできないと聞いたことがあります。
環境ホルモンとか、いろんな意味でぬるま湯に生きているからなのでしょうか。
確かに、こんな体力を温存できる自信はありません。

日本は、自殺者が年間3万人を超えると言います。
こんなにも物があふれ、自由と言われる中でも、その社会の間で失望し、生きるすべをなくす人たちがたくさんいるのです。

もしかしたら、激動の中で翻弄されることこそが、生きるパワーとなったのでしょうか。
お年寄りが「死ぬなんて考える暇もなかった。」と言っていたことがあります。
もしかしたら、本当にそうなのかもしれません。

精神力でいえば、今の子供たちは確かにとてももろいです。
些細な言葉で傷つき、必要なことが言えない。
誰にも話せず、逃げ場を失い、一人で苦しんでしまいます。

社会人になっても、仲間とのコミュニケーションがうまく築けなかったり、ちょっとした失敗を引きずったり、どうしてもポジティブになれない。
そうかと思えば、独りよがりで周囲の空気が読めない。
そんな人もたくさんみてきました。

ウーン。
どこでこんなに違ってきちゃうのかな。

最近、すごく思うのは、失敗経験や辛い経験がある人の方が、やはり強いし優しいと思います。
苦しみや悲しみや、社会の波に翻弄されて、そこを乗り越えられた人のみが持つ、強さとおおらかさを、きっとあの年代の人に感じるのかもしれません。

私たちは、どんな老人になるのかな?
若い人たちに、何かを残せるような年の取り方をしないとダメですね。

話は変わりますが、今日先延ばしにしていた胸部のCTを撮ってきました。
いくつかあったスリガラス様陰影が、「小さくなって減ってるよ。」とYamamoto先生に言われました。
やった!!「あとはほくろみたいなもんだよ。」とのこと。
これで、一つ気がかりが減りました。
そして、ちょこっと世間話して、すごく元気を貰いました。
先生、ありがとう。すごく嬉しかった。

人は、ちょっとした言葉かけや、気にかけて貰っているんだというだけで、すごく嬉しかったり安心したりします。

私がうれしかったことを、今度は私が誰かにする。
そう言うバトンをずっと持っていたいなと思います。