こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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葬儀屋さん現る。

2012-01-10 22:58:53 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護ステーションの事業所には、いろんな人が訪ねてきます。
うちの場合、ケアマネもいるのでさらに訪れる職種は増えます。

多くは、居宅がらみの事業所さんが、サービスの実績を持ってくるのが一番多いようです。
訪問入浴やヘルパー、デイサービス、福祉用具の担当者は、入れ替わり立ちかわりやってきます。

専任のケアマネは一人いますが、看護師でケアマネを兼任している人も5人いますから、それぞれを訪ねてきます。

実績を持ってくる事業所や、空き情報を持ってくる事業所、新規開設の有料老人ホームやグループホームなどの営業も多いです。
それから、訪問のご相談に来られる方。ケアマネさんや包括の方。

合間に、「新しいマットが出ました。ぜひ、デモ見てください。」みたいなメーカーさんや、布団のセールス、たまに漬物や果物の押し売りまでやってきます。

最近は、この中に葬儀屋さんが入るようになりました。

実は、ご自宅で亡くなられた患者さんのご家族から、「どこかいい葬儀屋さんを紹介してください。」と言われることが意外と多いので、葬儀屋さんの話はなるべく聞くことにしています。

葬儀屋さんは、かなりの部分オプションで金額が吊り上るので、ちゃんと意思表示をしないと、あっというまに数百万円も支払う事になってしまうので、予算を抑えた良心的な葬儀屋さんをご紹介できるのも、訪問看護ステーションの役割になりつつあるのかもしれません。

訪問看護の場合、ほとんどが死後の処置と呼ばれるケアを、ご家族と行います。
この料金は、ステーションごとに設定が違いますが、使用するエンゼルセットなどにもより、10000円前後から20000円くらいまでが一般的だと思います。
これを葬儀屋さんにお願いすると、現在ほとんどの場合湯かんと呼ばれる死後の入浴の儀式みたいな形になるようです。
これもだいたい10万円くらいが相場のようです。
さらに、エンバーミングと呼ばれる、遺体処理を勧められることもあります。
もともと、長時間ご遺体を保存するために、体内の血液を全部抜いて、保存液を注入するものらしいのですが、これはかなり高額な請求をされるようです。

何を選んでもご家族の意思なので、私たちはいいのですが、時々あとから葬儀屋さんに「これをやらないと、皮膚の色が悪くなって、きれいじゃなくなります。形が崩れて汁が出たりします。」と言われたから・・なんてことを聴くことがあります。

これは、ちょっと問題ですよね。
湯かんにせよ、エンバミングにせよ、かなり強引に「これをやらにと大変なことになって、かわいそうだ。」みたいな脅し文句を言って契約させるのは、いかがなもんかと思ってしまいます。

実際、亡くなられてから葬儀までの時間が2日か3日程度なら、通常のドライアイスで全く問題ありませんし、夏場ならご遺体を預けたりもできますから、顔が崩れたり顔色が極端に悪くなるなんてことはありません。
私たちとご家族とのお化粧で、今までひどいことになったという話は聞いたこともありませんし、あとで確認をしても、ずっと綺麗でしたよ。と言われています。

そんなわけで、強引なオプションの押し付けをしない、ご家族のご要望に合った葬儀を誠意を持ってやって下さる葬儀屋さんを、ご紹介できるようにしておきたいと思っています。

最近は不況の折、葬儀も家族葬が増えて、うちわでアットホームなお別れ会をされる方が多くて、ちょっと前の高額な葬儀が減っていて葬儀屋さんも大変なのかもしれません。

私たちは、なんにしても良心的に対応してくれる事業所で、一生懸命さが伝わってくる事業所を大切にしたいと思っています。

と、正月明けから葬儀の話ですみません。

今日は連携先のケアマネさんから、またしても「困難事例ですみません・・。」という患者さんのご依頼を受けましたので、新しい年もなかなかハードな幕開けとなりそうです。

成人式も終わったので、今年一年頑張りましょう。