老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

「北方領土と森元総理の発言」(その2)

2013-05-12 09:43:07 | インポート

先日の「北方領土と森元総理の発言」という友人の意見に対して、別の友人から次のような意見が寄せられましたのでご紹介します。

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このような批判は私も保守系メデイアで読んだことがあります。
森元総理がプーチンの代弁者になっているとの批判については、森元総理のテレビなどでの発言を額面通りに受け止めればそう言えるかもしれませんが、公にしない裏がもっとあるようにも思いますし、この批判が当たっているかどうか、日ロ交渉の結果が出るまでは分からないのではないかと思います。

それから、プーチンの言う「引き分け」が、領土面積の二等分を意味するのならば妥協してもいいのではないかと思います。ただし、日本側としては残り半分の領土の返還は保留して将来の帰属を日本と認めさせ、それまでは現状維持、つまりロシアの施政権を認めるとか、そんな条件が付くならば悪くはないでしょう。しかし、それをロシア側がのまないならば日本側は譲歩して二等分割案を受け入れ、早期に日露関係を改善し、それをてこに中国、南北朝鮮と対峙していくべきです。

私もロシア(当時のソ連)の占拠は不当だとは思いますが、その後のアジア情勢の変化、特に中国の台頭を前にして、4島返還がなければいつまでも平和条約を締結しないというのは現実的ではないでしょう。日本はもっと戦略的に動いた方がいい。ロシアも、中国牽制を頭において動いていると思います。

日本がロシアとの領土問題を解決し平和条約を締結すれば、友好機運が高まり政治・経済・文化等多面的交流が盛んになり、さらに安全保障上の連携が強化されて米国を含めた周辺諸国への影響力と軍事的抑止効果が強まり、国益に資することが多大であろうと予測します。

日本は有史以来、他国に領土を奪われたことがなく、欧州など国境線の移動が繰り返される大陸諸国家と比べ領土問題にナイーブな一面があるようです。しかし、現実の世界はパワーバランスの上に動いているのですから、そろそろ日本人は目を覚まして冷厳なリアリストにならないといけないと思います。

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この友人の意見は、前掲の、戦前の教育を受けた日本人が持つであろうと思われる意見に対して、現実の世界を見据えた、実現可能な意見のようにも見受けられます。しかし、こうした意見が前者にとって受け入れられるだろうか、特に「二等分割案」を受け入れることが可能だろうか、という気もします。
北方領土についてはいろいろな意見があり、この先どう考えていけばいいのか難しい問題で、頭の痛いことです。けれども、このまま放置しておいていい問題ではありません。私達一人ひとりが真剣に考えなければならないことでしょう。



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