老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

七草粥(ななくさがゆ)

2015-01-09 14:37:25 | インポート
新しい年になって、7日は七草でした。七草粥(ななくさがゆ)を食べることを考えた人も多いと思いますが、今の時期、七草を揃えることは実際には難しいでしょう。(七草=せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草。)
お店で七草のセットを買って作るほどでもないと、七草がゆを諦めた人もかなりいたと思われます。

この七草は、本来は旧暦での話なので、新暦の1月7日に七草がゆを食べるのは、そもそもおかしな話なのです。旧暦の1月7日は、今年は新暦の2月25日ですから、その頃になれば七草もいくらか揃えやすくなっているでしょう。

ついでに言えば、七夕も本来は旧暦での行事なので、旧暦で行うべきだと思いますが、どういうわけか新暦で行うところが多いようです。幼稚園などで曇り空のもとで七夕の行事を行っているのを、毎年テレビの報道で見かけますが、そのころは天気もあまりよくなく、新暦の7月7日は今年は旧暦では5月22日で、季節はまだ夏です。

本来の七夕が行われる旧暦の7月7日は、今年は新暦では8月20日、すでに季節は秋で、空も澄んでいて星がきれいに見えているころです。そもそも七夕は、空気が澄んで、星がよく見える秋の行事なのです。ですから、季語としての「七夕」も秋の季語です。

そういう意味では、仙台の七夕まつりが新暦の8月に行われているのは、理にかなったものと言えるでしょう。

七草という行事は、七夕と同じく、旧暦で行うべきだ、ということをあらためて主張しておきたい、と思います。