老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

選挙の不思議

2012-11-13 14:55:51 | インポート
地方選挙・国政選挙ともに、今まで半世紀以上一度も欠かさずに投票して来たが、考えてみると、もし自分が全く投票しなかったとしても選挙の結果には全く影響がなかった、という事実に、いささか驚きを禁じ得ない。

選挙は権利であるとともに義務でもある、という意識があって、億劫ではあっても、必ず投票所に出向いていたのだが、この結果からしてみると、「投票は、しなくてはいけない」と言っておいて、実際には自分は行かないでもよいことになるのではないか、と思われる。
なぜ、「『投票は、しなくてはいけない』と言っておいて」ということになるのか、と言えば、「投票したってしなくたって、どうせ結果は同じだよ」と、他人を不投票に誘い込むことはよくないことだし、もし多くの人がそのように考えて投票に行かなかったとすれば、そのことが当落に関係してくる場合が出てくるおそれも考えられるからである。

もう歳だから政治は若い人に任せて、自分はそろそろ隠居したい、という気持ちがある。それに、政党が、口では国民の皆様のため、と言いながら、実際には国民のためではなくて、自分たちの党にとって都合のよいように行動しているらしいのを見ると、いささかうんざりさせられるからでもある。
特に、選挙が近づいてきた時の政治家たちの行動は、あからさまに選挙の結果を念頭において、普段なら決してしないであろう行動を平気で行ったりしているのを見聞きすると、選挙という仕組みが本当に一番いい制度なのか、ということに、疑問を感じずにはいられない。

世の中がこれほど進歩しても、そして教育がこれほど普及しても、人間が一向に利口にならないのを見ていると、絶望的な思いになってしまうが、選挙制度も、現在の人間の程度に応じた仕組みとして、受け入れざるを得ないものなのであろう。