老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

ヤモリ現る

2012-06-07 18:08:00 | インポート
おとといの夕方、家の北に面した洗面所の窓ガラスの外側に、ヤモリが張り付いているのに気がついた。網戸をつけてあるので、網戸の内側のガラスに張り付いているヤモリは、網戸で身を隠しているつもりなのであろう。

10数年前、勤めていた職場の鉄筋建ての1階にあった図書室の壁にヤモリがいるのを見かけたことがあるが、わが家にもヤモリがいたとは驚きであった。昔から棲んでいたとは思えないので、どこからか引っ越して来たのでもあろうか。

『広辞苑』には、ヤモリ(守宮)は「トカゲ目ヤモリ科の爬虫類の総称。多くは夜行性・食虫性で、鳴くものもある。ホオグロヤモリ・オオヤモリ(俗称トッケイ)など、アジアの熱帯・亜熱帯を中心に600数十種。その1種のニホンヤモリは、大きさ12センチメートルほどでトカゲに似て平たく、鱗は微小で全体暗褐色。多数の褐色斑が散在。指趾の下面は吸盤様で、これで壁。天井などにつかまる。夜出て、昆虫を捕食。毒はない。本州以南・朝鮮半島・中国南部に分布。にほんやもり。壁虎。〈季・夏〉」と出ている。

平凡社の『国民百科事典』13(1978年)には、「ヤモリ類は一般に指の裏に薄板が並ぶ。これは吸盤といわれることが多いが吸盤ではなく、薄板に生えている無数の剛毛で、他物の表面の微細な凹凸につかまるのである」、「全長16cm」とある。また、「動くまぶたはない」、「おもに夜活動するが昼見かけることもある」、「大部分は卵生でふつう2卵を産む」、「産卵はふつう年1回、本土では6~8月に2卵を産む。卵は約2か月で孵化する。幼体は全長約5cm」、「つかまえると声を出すが、ふつうは鳴かない」ともある。

毒はなく、小さなおとなしい動物だし、小さな虫を食べてくれるので、昔は静かに見守って一緒に生活していたのであろうが、最近は家の中に小さな虫はほとんどいなくなってしまったから、ヤモリも人家で人とともに暮らし、その中で子孫を殖やすことは難しいであろうと思われる。
そういえば、昔は夏といえば、蚊が出て、家蚤が出て、蠅が出てと、小さな虫がたくさん人間とともに生活していたものであった。

それにしても、雉子の雄が姿を見せたり、蝙蝠が現れたり、今度はヤモリと、わが家の庭の樹木も切られて緑が少なくなってきているというのに、雀やヒヨドリ、キジバトばかりでなく、こうした自然の生物が姿を見せ始めたのは、どういうことであろうか。



蝙蝠飛ぶ

2012-06-03 11:22:37 | インポート
最近、日が暮れて暗くなると、庭の上空を蝙蝠が飛ぶようになった。2,3羽が、頭上1,2メートルのところを飛び回っている。

最近は蠅はいないし、蚊もたいそう少なくなってきているので、蝙蝠の餌があるのかどうか、これも心配なところである。蝙蝠がどんなところに巣をかけるのか知らないが、わが家の近くに9階建てのマンションが建ったので、もしかしたらそのどこかにでも巣をかけたのであろうか。

この間は、庭木を切って植木の数が少なくなったというのに、雉子の雄が初めて姿を見せたし、今度は今まで見たこともない蝙蝠が飛ぶようになったというのは、野生の動物の世界に、なにか異変でも起こっているのであろうかと、気になるところである。