老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が終わったが……

2012-10-02 16:03:00 | インポート
NHKの朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」が、この9月で終わった。
この番組が蒲田を舞台にしていることに気がついて、途中から、──多分ひと月程経って5月の初めごろから見始めたのだが、それは従弟が以前蒲田に住んでいたからだった。蒲田で育った従弟もきっと見ているに違いない、と思った。
わりに面白く見続けたが、最後の週になって、どんなふうに終わるのだろうかという興味もあって、特に注意して見ていた。
すると、今は立派な青年に成長して医薬品会社に勤めている元戦災孤児の広志の回想場面があって、広志が戦後の混乱期に水戸の伯父さん(?)に引き取られて行って、そこの材木屋にひどくこき使われたという場面が出てきた。
いやな気がした。番組が終わろうという時になって、なにもわざわざ、ある地方の人たちにいやな思いをさせることはないではないか、と思った。ドラマには時代考証の係もいたようだが、そうした事実が確かにあったと把握していたのだろうか。水戸の材木屋さんがこれを見て、どう思っただろうか。
私が作者なら、いよいよドラマが終わろうという最後のときになって、そういう脚本は決して書かない。ドラマは、朝の連続テレビ小説なのだ。たとえ作者がそう書いたとしても、ドラマ作りには周辺に演出家やその他の係がいるだろうから、誰かがその辺の気遣いを見せてもいいのではないか、と思う。
そんなことを気にしていたらドラマ作りはできないよ、と言われそうだが、折角の「梅ちゃん先生」も、ちょっと後味の悪いドラマになってしまった。明るい内容のドラマだっただけに、残念である。