老人(としより)の目(『ある年寄りの雑感』)

「子どもの目」という言葉がありますが、「年寄りの目」で見たり聞いたり感じたりしたことを、気儘に書いていきたいと思います。

NHKラジオのスポーツ試合結果の報道について

2009-03-24 15:11:00 | インポート
 現在のNHKラジオの、スポーツ試合結果の報道を聞いていますと、AチームとBチームとが対戦して、3対1 でBチームが勝った場合、
  「Aチーム対Bチームは、Bチームが 3対1 で勝ちました」
と、勝ったチームを主体にして表現しています。これは当然のことです。
 ところが、注目のCチームの試合結果がどうだったか、ということを述べる場合、現在の放送では、
  「Cチームは 5対2 で勝ちました」
  「Cチームは 5対2 で敗れました」
と表現しています。

 勝った場合は、それでよいと思います。しかし、負けた場合に「5対2 で敗れました」というのは、どうでしょうか。これは、「2対5 で敗れました」と表現すべきではないでしょうか。
 例えば、イチローが所属しているマリナーズの、今日の試合結果はどうだったかを伝える場合、現在は、
  「マリナーズは、5対2 で敗れました」
と放送しています。
 この場合、「マリナーズは、5対2 で……」までを聞いた聴取者は、「ああ、今日は 5対2 でマリナーズが勝ったのだな」と思うでしょう。ところが、実際は、「…… 5対2 で敗れました」とアナウンスされるのです。
 これはおかしい、と思うのです。マリナーズが 5対2 で敗れたのなら、マリナーズの得点は2点なのですから、
  「マリナーズは、2対5 で敗れました」
と表現すべきではないでしょうか。
 つまり、得点の表現は、「取り上げたチームの得点を先に言う」ようにすべきだ、と思うのです。
 例えば、
      Aチーム 2─6 Bチーム     
      Cチーム 4─1 Dチーム
という試合結果なら、
  「Aチーム対Bチームは、Bチームが 6対2 で勝ちました」
  「Cチーム対Dチームは、Cチームが 4対1 で勝ちました」
と表現しているのと同じように、「もし、AチームとDチームに注目して、AチームとDチームを取り上げて言う場合は、
  「Aチームは 2対6 で(Bチームに)敗れました」
  「Dチームは 1対4 で(Cチームに)敗れました」
と表現すべきだと思うのです。
 今は野球を例にして説明しましたが、これはサッカーの試合結果など、他のスポーツの試合結果の報道にも同じことが言えます。

 もし、現在の形で放送するなら、
  「今日のマリナーズの試合結果は、どうだったでしょうか。今日のマリナーズは、3対2で……」
というところで放送が途切れたとしたら、マリナーズが勝ったのか、負けたのかは不明、ということになってしまいます。
 もしこれが、得点の表現は「取り上げたチームの得点を先に言う」という方式で報道しているということになれば、
  「今日のマリナーズの試合結果は、どうだったでしょうか。今日のマリナーズは、3対2で……」
と聞けば、ここまでで既に、マリナーズが勝った、ということが分かるし、
  「今日のマリナーズの試合結果は、どうだったでしょうか。今日のマリナーズは、2対3で……」
と聞けば、今日のマリナーズは残念ながら負けたのだ、ということが分かる、ということになります。

 できるだけ早く、かつ正確に情報を伝えるのが報道のあるべき姿だ、という観点から言っても、得点の表現は「取り上げたチームの得点を先に言う」ようにすべきだ、と思うのです。
 この点について、ぜひ関係者のご一考を煩わせたいと思います。


 ※ いつのころからか、NHKでも、「取り上げたチームが負けた場合にも、取り上げたチームの得点を先に言う」ようになったようです。つまり、「Aチームは、3対5でBチームに敗れました」と言うようになったようです。いつからそう言うようになったのかは分かりませんが、気がつきましたので、ここに補っておきます。(2013年4月13日)