US発 ひとりよがりおたく日記 (不定期)

主に映画の感想。管理人が気に入った映画があった時だけしか更新されないブログ。

Il Caimano (2006)

2007-02-20 16:36:27 | cinema
ナンニ・モレッティって日本ではあまり有名でないけど、イタリアでは
結構有名映画監督・・・らしいよ。私はイタリアの事情は全く知らない
ので、日本語になってる情報を鵜呑みにするしかないんだけど。
たまーにしか映画を作らない人なのだけど、私はかれこれ20年来の
ファンなのです。全部作品を見てるって訳でもないのだけれど。
今回、映画祭で彼の映画を上映するってのを見つけて見られたのは
ラッキーでした。

20年ほど前、最初に見た彼の映画「ジュリオの当惑」では当惑する
若い神父を自ら演じ、「エイプリル」では中年に差し掛かった映画監督、
「息子の部屋」では悩める精神科医を演じた。とにかく彼の映画には
彼自身が出てくることが多い。今回は、モレッティは主人公役ではないけど、
俳優の役で出てきます。お約束の、音痴な歌を披露してくれます。
そして、Silvio Orlando演ずる映画監督がモレッティ自身を投影した
キャラなのだと思う。彼はいつも、何だか苛立って、何かに怒ってる。
彼なりの正義を追及すると、そうなっちゃうんだ、みたいな。20年前から
そうだから、彼は一生そうなのかも。
今回、政治がテーマで、私はイタリアの政治を全く知らないので、
あんまり着いていけなかったんだけど。イタリアの首相を批判している
んですが…彼はもともと政治っぽい映画が多かったけど、今回この映画
を作ったせいで、結構迫害されちゃっているらしいです。そして、ますます
怒っちゃうんだろう…(笑)。
そういえば、彼の作品は一貫してインディーっぽいというか、商業主義に
乗った作品ってなかったような気がします。エンタメ目的で作ってない
ので、地味~ですが、相変わらずのモレッティの世界で、私は十分
楽しめました。