降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★新聞を鉛活字で組んでいた頃=改稿編⑤

2014年04月11日 | 新聞

【 4月6日付の続きです。写真はイメージです 】

「書き残しておこうかな、新聞活版組みから初期CTSまで」全面書き直し編⑤です。
【 CTS=Computerized Type-setting System( 新聞コンピューター組み版・編集 )。
シー・ティー・エス。1960~80年代、朝日新聞社、日本経済新聞社の2社が主導、日本IBMが技術協力して開発した。
日本経済新聞東京本社は1978年にアネックスを、朝日新聞東京本社は1980年にネルソンをそれぞれ全面稼動した。その時つくられたソフトの一部は、パソコンの文字訂正などに転用されている

▽ 活版時代、オーマイガッな地紋スクリーンもあったのだよ

ベタ黒、濃淡アミだけと、現在は一般紙から消えた地紋見出し( ←活版時代の凸版ですね )。
初期CTSの頃は、地紋見出しをつくるHCS( ヘッド・カット・システム )に数十種類ものスクリーンが登録してあって………おっと、CTSのことは後日書きます。

例えば、上の写真左上の地紋見出し
「大安寺は『未完の大寺』?」
だと、指定は下記の通り。
G( ゴチック体 )黒字、ナンバー◯地紋ポジ
天地12倍 × 左右63倍、急ぎ!!!!( ←と書いても時間は変わらなかったけど、笑 )
G体にも太・中・細があったから、一応指定伝票に書くべきなんだろうけど、製版部との取り決めで
「指定がなければ、中Gにしちゃうよ」
だった。

製版部は、
①整理部からの地紋見出し伝票を見て写植入力( 歯送りを計算していたこともあった…… )したものに指定スクリーンを被せ、
②「青焼き」を校閲部に回してチェックを受け、誤字・間違いがなければ、ようやく金属版に腐食開始………
ひゃあ、なんて手間と時間がかかったのでしょう!……今かんがえると。

細渦巻き、粗渦巻き、太ヨコ線、粗アミ、極細タテ線、変アミ(グラデーション)、日の出、花火、ボールマーク、80%アミ、20%アミ地紋………
現在では信じられないけど、竹の葉地紋【 注・下段 】もあったし(笑)。

………ありゃ、長くなったので、続く。

【 竹の葉地紋=たけのはじもん 】
この手の地紋、いったい、いつ、どんな記事の見出しに使うのだろう……と思っていたが、
正月のエッセイ・随筆寄稿の地紋などに使用されていた。
1年に1回しか使われないスクリーン!
また、製版部との取り決めで、整理部から地紋ナンバー指定がないときは、この手のヨクワカンナイ地紋を使っていた。
◆お断り=新聞社によって、それぞれ名称や工程は異なります。



(・ω・)ノ