降版時間だ!原稿を早goo!

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「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★祝!五木連載9000 回(2)終

2012年07月29日 | 新聞
【7月28日付の続きです】
五木寛之さん(79)のギネス認定長期連載「流されゆく日々」(日刊ゲンダイ)が9000回を突破した=写真。
10000回、僕は読めるのだろうか――ということは、さておき。

講談社から出された『流されゆく日々/抄1975~1995年』(1995年刊)を読むと、「ある年の、ある出来事」から次第に五木さんが親鸞教団に傾斜している。

1981年、実弟・邦之さん40代の急死――。
実弟・邦之さんとは引き揚げ以来苦楽を共にし、五木さんが作家デビュー後は「片腕&秘書的」パートナーだった。
また、五木さんは長男(実際は次男)なのに独り上京→早大進学したため、
「九州・八女にいる弟妹たちには、実に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」
と記している。
その実弟急死が、40代後半の第2次休筆「精神的不安定期」への引き金をひいたのではないか(第2次休筆は1981~85年。その間もゲンダイ連載はファクス送信で休載せず)。


もともと、松延家(五木さんの本名)が真宗だったことも関係あるかもしれないが、
この充電休筆後『風の王国』(1985年)で文筆活動を再開し、『蓮如』『生きるヒント』『他力』など、親鸞思想共鳴が色濃くなっていくのだ。
――この『流されゆく日々』は後世、五木研究の第一級資料なるのではないだろうか(→おぉ、かっこいいシメ方じゃん)。


(〃▽〃)