降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★他人を尾行したくなる!

2012年07月04日 | 新聞
待っていました!
小池真理子さん最新作『二重生活』(角川書店、1890円)=写真。
テーマは、ずばり尾行!

あらすじ。
大学院生25歳の珠(たま)は、仏マルチアーティストのソフィ・カルの
「文学的・哲学的尾行」(誰かを尾行して、ただ観察するだけ)
という考え方に触発され、近くに住む出版社部長・石坂を尾行した。
不倫デートを目撃し、家族の前の顔とは別の素顔を愛人に見せた同部長の「二重生活」に衝撃を受けた珠は――あとは言えないムニャムニャムニャ。

尾行。
下世話にいえば、他人の秘密を覗き見ることか。家政婦ハミタ。
普通なら、ストーカーレベルのサスペンスになりそうだけど、小池さんは仏哲学者の言葉をキーワードにして、多彩な耽美な仕掛けをしている。

関係ないけど――、
以前、ある作家の告別式で、小池真理子・藤田宜永さんを見たが、文壇美男美女夫婦だなぁと思った(けど、尾行はしなかった)。

【小説『二重生活』オモシロ度=★★★★☆】尾行シーンが、実に詳細に書き込まれている。取材で、小池さんも誰かを尾行したのかも。
また、直木賞受賞作『恋』(1995年)に通底している気もした。


(^o^)/