ルドンが描いたキュクロプスです。
これは、ギリシャ神話の初めの部分で、母なる大地ガイアと天空の王ウラノスとの間に生まれた子供です。
醜い怪物として生まれたので、すぐに大地の奥に押し込められてしまいました。
他に生まれた怪物は、ヘカトンケイルという頭が50個、手が100本という物もいますが、二人ともゼウスに助け出されます。
ガイアとウラノスの子供たちは、別名タイタン族と言われますが、後にゼウスの兄弟たちと戦争になります。
その戦いは10年にも亘って戦われますが、ゼウスがこの怪物たちを助けだしたことで、キュクロプスとヘカトンケイルが自分の兄弟であるタイタン族には付かず、ゼウスの味方をして、勝利に導きます。
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ヘカトンケイルの手が100本ということが功を奏して、タイタン族に石の雨を降らせ押しつぶしてしまったそうです。
この話は、よく生徒たちにしました。そのとき、ある生徒から「キュクロプスはどんな技を使ったのですか」と質問が出ました。
私はその質問に答えられませんでした。
今日、ある本を読んでいて、キュクロプスの貢献がわかりました。
キュクロプスとは、鍛冶屋の神様なのだそうです。そして、ゼウスに助けられたお礼に雷電を与えたのだそうです。
ゼウスの雷は、このキュクロプスが与えたのですね。それはすごい貢献です。
また、ルドンの絵からもわかるようにかなり巨大な体を持っています。ということは、大きな岩のような石を投げつける力もあったようですね。
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因みに、この絵は大変な意味があるそうですね。
このキュクロプスが乳白の肌を持つ、ガラテアに恋をしてしまう話ですね。
そして、振られてしまう。その怒りをガラテアの恋人に向けてしまう。
片思いで、ストーカーのようにガラテアを見つめるキュクロプスの姿が描かれているそうです。
私は、星新一の本を思い出しました。
違う星に棲む二人がメールで知り合って恋人になり、ある日会うことになりました。尋ねて行ったら、体の大きさが全く違ったのです。女性の方が10メートルくらいの体でした。男性は1メートル70センチ、これでは、台頭に付き合うのは無理です。
物差しも測る単位も違うのですから、そこまでは調べられませんでした。二人は泣く泣く恋を諦めました。
その話に、似ています。キュクロプスとガラテアはそれ以上大きさが違うのです。
しかも一つ目の怪物ですから、それでも拒否されるでしょう。
これは、叶わぬ恋、片思いの恋の象徴として描かれているようです。
ルドンは象徴派と言われます。