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絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

KSさんの秋の制作

2012-10-19 | 絵画指導
KSさんが、20号で秋の制作をしています。
完成したら麓原展に出品するかもしれないと言っています。



これは、一昨年県展に入選した壺の絵のパターンです。
今回は、一人でモデル組をしました。

なかなか空気がきれいに描けています。
メインはどれですか?と尋ねました。
中央の背の高い円柱の壺だそうです。

そうなると、まだその魅力が出ていません。
その左の壺が描き込んであるので、その方が目立ちます。
その上手に描けている壺だけ隠すととてもまとまっています。

こういう場合は、その壺を消して弱くして他に合わせるか、その他の物をもっとそれ以上に描き込んで、それより目立たせるかどちらかです。

簡単なのは、いま上手に描いてある壺を消して弱めることです。
全体的に進めることを考えても、その方が楽です。

しかし、せっかくこんなに上手に描けたのにという気持ちがあるので、結構酷なことです。

だから、折衷案ですが、まず、中央の主役にしたい壺をしっかり描きます。
それが、左の壺よりも強くなって、主役になれれば、それで良しとします。

ただ、この場合、左の壺には焼くときの釉薬が垂れた模様がとても強いので、主役が無表情では、いつまで経っても勝てないでしょう。作戦としては、主役の壺に何かポイントになる模様を施すことです。そうでなければ、何か柄のある布でもひっかけることです。壺に文字が入るならそれでもいいです。以前この方は壺に千里という文字を入れました。それは、お酒の名前でしょうか?
模様、文字、何かを引っ掻けるなどの方法を使わないと、左の壺に勝てない気がします。

他にも問題がありますが、また次回お話しします。

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Oさんの人物画

2012-10-19 | 絵画指導
Oさんが、県展の人物画と同じ構図で、60号をもう一枚描いて見せてくれました。



県展の絵は、背景にイーゼルを置いて、シャツなどを掛けて変化を付けましたが、やや重たくうるさい感じがするという指摘をいろいろな方から受けたとのことです。それで背景をすっきりさせたらどうなるかという観点で、もう一枚描き直したのがこれです。

確かにすっきりしました。背景は私の絵です。ここは私の家のアトリエですので。
ただ、そうなると、下の布はどうか?また、人物の位置はどうかという問題が出て来ます。
構図というのは、一部を変えると他との関係がありますから、重さの関係や位置の関係を他も直す必要が生じます。

今は、左上からの光を受けた時の影の方向がいま一つ統一感がないので、それを考えてくださいと言っています。
人物や椅子の形通りの輪郭を背景に描いてしまう癖があります。それを我慢してくださいと言っていますが、
右側にそれをやってしまいました。頭の形も輪郭の部分にボリュームがありません。後ろに入り込むように後ろ側も描くという気持ちを話しています。明暗の差とほつれ毛を描くような気持ちになれば、その感じが出て来ます。

床に敷いてある敷物は、ルノワールみたいでいい感じです。しかし、この表現は目が流れてしまいます。
画面全体がそういう表現であれば統一感が出て良いのですが、今描いている他の部分との関係を見ると、ここだけ流れてしまっています。そういう世界の統一ということが大切なのです。だから、他に合せるにはせっかくいい感じなのに変えなければなりません。そこだけ直すか、他も全てそれに合せた表現にするかという選択です。

写真では分かり難いかもしれませんが、ストッキングの表面に筆のタッチがありありとわかります。
これは、他の部分と違って、筆のタッチが分かり過ぎます。黒いので乾いてみたらそうなっていたということかもしれません。
黒の表現は、結構そういうことがありますから、油の量の関係なども考慮しながら、乾いた状態を確認する必要があります。

細かいことは、まだまだありますが、ここではこのくらいで。




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