絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

写楽殺人事件 続き

2015-05-14 | 読書
写楽殺人事件を読み進めています。

しかし、浮世絵関係の知識ゼロに近い私には、この小説は、なかなか読み進められません。

推理小説としての内容なら、どんどん読み進められますが、途中で出てくる浮世絵の知識が引っかかって、
先に行けないのです。それで、メモを取りながら読んでいます。

写楽の別人説は、面白くて、本当は北斎のある時期の名前が写楽なのではないか?と言われたり、
蔦谷重三郎が実は写楽なのではないかとか、ライバルとも言われている豊国が写楽だなどという説まであるんですね。

有力な説が13、小説家などの奇抜な説などを合わせると、30以上もあるそうです。

一つの説を唱えるには、他の説は間違いだという見解も含めないといけないので、それなりに論破するのは至難の技だとか。

しかし、なぜ、写楽は、それ以前もそれ以降も消息不明なのか?
どこで、絵を習い、どうやって蔦谷重三郎と知り合い、あまり評判の良くなかった写楽の絵を140点も版画にしたのか?
そして、突然いなくなったのはなぜなのか?

有力な13の説は、それぞれその人のその間のアリバイがないそうです。
写楽が、作品制作をしたのは、たったの10か月。

不思議なことだらけです。

ーーー
小説には、まだ書かれていませんが、以前池田満寿夫さんの研究をテレビでやっていたのを見た記憶があります。
そのときは、写楽とは、楽屋を写したものではないかと言っていました。
へええーー、なるほどと思ったものです。

役者絵なのに、ちっともいい男じゃない。おそらく本人に似ているのだろう。
ということは、素顔を知っている人が描いている。
だから、楽屋で本人の素顔を見ている人が描いた。
そういう考えから、ある一人の人が浮かんでくる。
その人の自画像とも思われる絵がある。

と池田満寿夫さんは、結論を出しました。

私は、いま、その人の名前が言えません。
頭に留めていないからです。

ーーー
小説では、浮世絵については素人と思われる女性に、専門家の主人公が写楽の別人説を話して聞かせます。
だから、読む私は、その女性と同じ立場で聴いています。
同時に、その女性と同じ疑問を持ちながら素人的な質問が入るので、面白いのです。

ただ、知識を得るために、写楽の専門書を読むよりずっと楽しく読めるので、ありがたいです。
専門書なら、きっと私は飽きています。いま、110ページ辺りです。









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