絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

中川一政

2013-02-17 | 美術
「美の巨人たち」という番組で、中川一政をやっていました。
「福浦突堤」という絵についてでした。



「生きている絵を描きたい」

そう念じて20年間、真鶴港の防波堤に立ち、80点の絵を描き続けたそうです。
達磨さんが面壁9年なら、自分は岸壁20年という苦行

ム―ヴマン

対象に向かった時に沸き上がって来る心の感情
その感動のままに筆を動かせば、それが表現できる。

対象が与えてくれる感動を表現する方法がデフォルメだった。

デフォルマシオンは、絵における「詠嘆」
詠嘆とは、深く感動し、その感動を歌い上げること


絵の勝負は、美しいとか醜いとかいうものではない。
生きているか、死んでいるかが問題だ。
美しいように見えて、死んでいるのがある。
みにくいように見えて、生きているのがある。

写実とは、見たままを描くことではなく、ムーブマンを描くことである。

以上が、今日、学んだ内容です。

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私の感想

中川一政の絵を見ていると、ルオーの絵に色を加えたような表現に感じた。
部分的に見ると、抽象画に見える。そのまま抽象にしてもいい感じだ。



 

考え方は、ゴッホに通じる。現場にいなければ描けない絵だ。
その場での、自然との対話である。そこで感じた感動を表現する。
だから、あの眼になる。ものすごい形相で自然を見ている。
怖くて、声がかけられないくらいだ。

今日の番組では、それは分からなかったが、以前の番組で箱根で描いている姿が放映された。
90歳を過ぎているのに、現場で大作を描く姿だった。60号以上の絵だったと思う。

以前の番組では、一休さんが書いた書がいいと言っていた。良寛は?と問われると、あれは習った字だと。
うまいけれど、---と言って、その後を言わなかった。
上に書いた「醜いように見えて、生きているものがある」とは、一休さんの書にも言えることなのだろう。
自分の絵のデフォルメの説明でもある。

私は、空、山、海という区分けが要らない気がした。
解説では、それが分かるようになって良くなったような説明だったが、むしろわからない初期の方が良かったんじゃないかと
想像した。どれが初期でどれが後期かは、はっきりわかるように見せてくれなかったので何とも言えないが、むしろ抽象的に見える方がいい感じがする。










コメント
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