絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

美学 8

2013-02-01 | 美術
縦絵と横絵について、

絵は、四角形である必要はないし、現に丸い絵もあれば壁の形に合わせてアーチ型になっている場合もある。しかし、キャンバスを考えたとき、ほとんどが四角形である。

その場合、その四角形を縦に使うか横に使うかという問題がある。

どこかの誰かのブログで、横絵より縦絵が良いと書いてあったので、笑ってしまった。とんでもない嘘を教える人もいるものだとあきれている。

構図の問題で、縦に描いた方が良いのか、横に描いた方が良いのか判断して決めるものである。人物を一人描くのに、全身を入れるなら、縦に描く人の方が多いだろう。
立ちポーズなら猶更である。寝ポーズなら逆に横絵になる。
とにかく、目的によってどちらがふさわしいかを考えて決めるだろう。
だから、どちらが良いということは一概には言えない。

テーマによって、目的によって変わるのが、普通だが、どちらにもなりうる場合にはどうするか。私は静物画の構図を考える場合、構成が自由にできるときは、流れと言うことを考える。
縦絵なら、縦の流れをつくる。上から下へと目が移るような構成を考える時は、縦絵にする。左右に目が移る場合には横絵にする。目が移るというのは、見るべきものがそのように配置されるということである。物の置き方である。
壁と床という関係の場所がある場合、そこが舞台であり、そこに物が置かれた場合、それが役者であると考える。その時の役者の配置である。役者を見ていくときに、縦に目が移るなら縦絵、横に目が移るなら横絵である。

また、私は画面に流れを作るために、布を垂らしたりして目が自然に上下に誘われるような工夫をする。それは布に限らず、植物を使ったり、紐や鎖を使ったりする。縦絵の場合には、重力に引かれるので、作りやすい。

もう一つは、縦絵は上下にはみ出すことを考える。横絵は左右にはみ出す。
それは世界がもっと外まであるんだということを強調する。絵よりも外まで意識させることにつながる。そこまで意識が配れるとき、なるほど縦に描く意味がわかったとか、横に描いた理由がわかったとかいうことになる。


対象物が必然的に、縦を要求している場合もあるし、特にどちらでも良い場合には、私はその流れを作ることで、縦に描いた理由を鮮明にしたくなる。


これも私の美学の一つである。その方が良いと考えるのだ。

もう一歩、私の工夫は、主系列と副系列がある。副系列という言葉はあるだろうか。
疑問に思いながら書いているが、メインの流れと二番手の流れを考えるということだ。
それは、まだ研究段階なのだが、それを作りたいと考えている。メインだけでは流れがあからさまで、作為が見えすぎる感じがしないでもないからである。

ということは、私は新たな美を探っていることになる。
美は、探りながら見つけ出すものだと言えるだろう。

だから、創造なのか。当たり前か?




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする