絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

50分間の人物画デッサンについて 2

2011-08-13 | 絵画指導
夢工房デッサン会では、一枚のデッサンを50分間でやっていますが、それが望ましいからではなく、モデルの都合です。
一日で、二人の人が交代してモデルをやること、会場を借りている時間との関係、デッサンをする人たちの疲れ具合などを考慮して、今は、50分で一枚を描くという事に決めています。
もっと、描き込みたいという要望が出れば、同じモデルの人に2週続けてやってもらえばできなくはありませんが、そのためには服装も同じものを着て来る必要が生じ、髪形も同じにしなければなりません。髪は伸びますから厳密には同じになりませんね。

私の判断では、もう少し上手くならないと、時間を増やしても意味がないかなと考えています。

部分的に描き込む力をもっとつければ、時間を増やすことが意味があります。
時間を増やしても、描けないのでは同じことです。

そのために、部分練習をもっとやってほしいのです。

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例えば、50分で全体を描き込むためには、どこにどのくらいの時間が配分できるでしょうか?

1、全体をクロッキー的に薄く掴む。  10分
2、顔を描き込む。          10分
3、手を描く。            10分
4、足を描く。            10分
5、全体を見て、強調したい部分を描く。10分

これで、50分経ってしまいます。
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こう考えると、片手を描くだけに使える時間は5分です。
そうなると、5分で手を描く練習をする必要があります。
日ごろから、その練習をするのです。

私は、5分で全てを描きません。ポーズにも寄りますが、手の向きを考えて、全体の形を掴むと、その後は親指と人差し指だけを描きます。後は、想像で感じられたらそれでよいという感じにします。詳しく描くには、全体を掴んだ後に、時間があればというくらいにしておきます。
また、足の場合は、靴を履いていることが多いので、片方の靴の形を描いた時に、はっきりと右足か左足かがわかるように描きます。その特徴が描けない人は、描けるようになるまで、陰でこそこそでいいですから、練習してほしいです。
見えない所での努力ですね。スポーツ選手が得意とするところです。個人的な自主練習です。

裸足であれば、足の親指をしっかり描くことで、右か左かをわかるように表現します。

とにかく、強調したいのは、50分の練習をやるだけでは、なかなか上手くなりません。
問題なのは、全体をクロッキー的に捕まえたら、後は、顔、手、足が上手く描けるかどうかで、その人のデッサン力が決まります。服の皺までとことん描く必要はありません。特徴のある部分としては、皺がたくさんできる部分、すなわち脇の下、ズボンの膝の裏、股などです。それ以外に描き込むのは、今言った部分が描けてから、後から追いかける感じで描くことです。しかし、決して追い越してはいけません。それが基本です。
やはり、見せ場というのは、まず、顔です。次は手です。そして足です。それをポイントとして進めることをお勧めします。

ここでは、顔と言いましたが、私が言っているのは、頭部という意味で、首の付け根までのことです。
服を着ていたら、シャツの襟までですね。襟がきちんと首の後ろへ回り込むことも重要です。
卵型の頭と円柱の首という基本形をしっかり捕まえること。あごの下の反射光線を描いて、あごのボリュウムを出すこと。
あごの描き方で、年齢が出ることを意識して、あごの特徴を掴むこと。
横顔の基本形を意識して、頬骨で面を分けることなどが重要です。
眉毛、目、鼻、口、顎のラインが平行であることを基本にして表現すること。
そして、顔の向きをしっかり出すこと。などが注意事項です。

このような注意は、デッサン会の人たちは、何度も言われているので、お分かりになるでしょう。
もし、詳しく知りたい方は、私のDVDシリーズを見てください。
映像で、私が描いて示しています。











コメント
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