絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

50分間の人物画デッサンについて 1

2011-08-12 | 絵画指導
デッサン会では、毎週木曜日にデッサンをしているので、月に4回ありますが、その内の2回は人物描き込みデッサンです。
「人物描き込み」とは、同じモデルに同じポーズで、10分づつ5回ポーズをとってもらい、それを描くということです。
この言葉は、勝手につけたもので、一般に通用する言葉ではありません。
日ごろ練習の初めに、10分間クロッキーをしているので、それに対して10分ではなくもっと描き込むデッサンという意味で、そう読んでいるだけです。

普通、プロのモデルさんを呼んで行うものは、20分が1ポーズとなっていて、間に5分づつ休みを入れ、3ポーズ終わったら10分休憩をし、また3ポーズやって終わります。私が大学の時は、そのようにやりました。
ただ、それは、モデルさんのやりやすい方法という事だと思います。そのくらいが一般的なのです。

そうすると、6ポーズですから描く方は2時間描けます。休憩を含めて2時間半で終わります。
だから、9時から始めて、11時半に午前中が終わり、昼休みを1時間とって、午後からまた2時間半ということで、やることができます。

ただ、これも決まりではなく、モデルさんと相談して、1ポーズ毎の休憩を10分づつにしましょうとか、3ポーズ終わったら20分休憩を入れましょうとか、臨機応変で良いと思います。

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夢工房デッサン会では、モデルは仲間で交替ですから、その日のモデルを順番制でやっています。
モデルは二人です。Aさんが10分やると、直ぐBさんと交替します。AさんとBさんが交互にモデルをするのです。
それぞれが5回やると終わります。その日にモデルではない他の人たちは2枚描けます。しかし、毎回紙を交互に取り換えなければなりません。そして、描く方は休みがありません。モデルをする人は、その日に描けるのは、1枚だけです。

2ポーズが二人とも終わった時点で、お茶の時間を作ります。
休憩してお互いの途中経過を見て学びます。

私は、自分のデッサンを描いて見せるときと、アドバイスに徹する時と、いろいろです。
まず、やって見せることも重要です。指導者が手本を示すことができなくては、いけないでしょう。
また、口だけでアドバイスをする場合と、手直しをしてやるときとあります。

上手く行っている人はなるべく口だけで済まし、やって見せないと分からないかなと思う時は、部分的に描いてみせます。

モデルをしている時間は長く感じます。描いている時は短く感じます。同じ10分なのに不思議ですね。

モデルさんは同じポーズを取りますが、やはり全く同じという訳にはいかなくて、厳密には毎回少しづつ違います。
同じポーズが取れるように、足の位置などは床にチョークで印をつけたりします。チョークがつかない場合は、ガムテープを貼ったりしたこともあります。
後は、みんなで確認して、どの位置からも同じになったと思われる状態で確認してから始めます。
これを毎回やらないと、何回目の時はもう少しこうだったとか、いろいろ出て来てしまいます。
みんなが、どの部分を何ポーズ目に描いたかで、自分の描いたポーズというものが決まって来るからです。
常に、毎回全体を見て描いているとは限らないからですね。
















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Oさんの人物画

2011-08-12 | デッサン会
デッサン会のOさんが、毎回のように描いた絵を持ってきて、みんなに見せてくれます。
昨日は、この人物画でした。




とても印象の良い人物画です。20号くらいです。

ほとんど言う事がないくらい良く描けています。

欲を言えばということで、アドバイスをさせていただきました。

1、右側の壁にできた影が気になります。
  人物の影のように見えますが、この形で影ができるということは、左下からの光になります。
  しかし、他の部分は左上からの光のように感じます。(腕や顔にあたる光です)
  だから、右側の壁の影は、もっと右下にできます。頭の形の影がどの辺にできたら良いか、肩の影はどのくらいの位置にできるかと考えてくださいと話しました。

2、この光だと、頬杖をついている右腕の影が体に落ちます。それが描けていません。
  机の影も体に落ちます。それも必要でしょう。

3、人物の左側の壁に黄色が感じますが、それは、やや人物の肌の色を生かすには、邪魔だと思います。

4、脇の下に見える明るさがやや明るすぎる気がします。また、机の影はその部分に落ちないでしょうか?

以上が気になりました。

良い点は、顔が決まっています。人物画で最も重要なのは、顔です。それが成功しています。
また、体の形がよく入っています。服の下から確かな人体を感じます。手の表現もいい感じです。
机の上の小さな黄緑が効いています。
構図もばっちり決まっています。ポーズもいいですね。

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デッサン会では、木曜日の午後セルディで描く物だけでなく、日ごろ描いている絵のアドバイスもしています。
むしろ、日ごろこそ描いて、それをアドバイスしてもらうようにしてほしいと思います。
練習日は、みんなで一緒に描く日です。そして、それを切っ掛けにして、自分の足りない部分を見つけ、自分一人でそれを練習してほしいのです。

例えば、デッサン会では、人物画の全身を勉強します。しかし、描いてみると、顔が描けません。そうしたら顔だけの練習をするのです。手が描けない人は、手の練習をするのです。
描き込みの時は、50分で描くので、全体を掴むのに、10分、顔で10分、手と足で5分づつなど計算して行くと、一つの手を描くのに、5分でやる必要があります。だから、5分で手を描くという練習をするのです。


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