絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

部活としての美術部

2010-01-28 | 思い出
美術部の指導を25年間やりましたが、いろいろなことがありました。

ある時、入部を希望してくる生徒が活動内容を聞いて、「どうしてそんなにやるのですか?」と言いました。日曜祭日休みなく、年中無休の美術部を作ったので、気楽に適当にやりたいという気持ちの生徒には、向かない美術部になっていました。

私は、日本一の美術部を目指しますと言って取り組んでいたため、それを「いいぞ!」と言って応援してくれる人たちの声援に応えるようにやってきました。

だから、この美術部は今はそのような目的でやっているんだよと説明しました。
要するに、とことんやりたいという子にはとてもうれしい美術部なのです。

ということは、逆を言えば、ただ絵を描くことを楽しみたいという分かりやすく言えば、一週間に一回程度絵が描ければいいという人には向かない美術部になっていたのです。

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そのため、そういう希望の生徒は、美術部に入ることができませんでした。
私は、「美術部に入らなくても、絵を見てほしいなら、私のところへ時々持ってくれば見てやるよ」という話をしてやり、入部するなら、他の部員と同じことをしなければならないということを話しました。

やはり、それを聞くと、躊躇して結局は入部しませんでした。

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私は、一週間に一回程度描きたいという生徒の希望に応えてやるために土曜デッサン会を開いて、募集をしてみたりしましたが、やはり、そういう子はなかなか参加してきませんでした。
要するに、自分の気が向いた時にやりたいだけなので、こちらが設定したのでは、それに合わせる気持ちはないのだなと分かりました。

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私は、美術部をやっていても、その美術部員の中にも、気持ちの強さに差があるので、週3日活動をする生徒とか、いくつかのコースを作ってやるほうがいいのかなと考えたことがありましたが、それをやるといろいろなことで不公平の問題が出てくるため、できませんでした。幸い美術部はレギュラーと補欠という感覚はないので、全員が展覧会などに出品できます。それが良いことかどうかわからないのですが、そのために、このコースをつくるということも出てきてしまうのです。

もし、レギュラーと補欠があるなら、週一回だけ参加したいなどという子はいないのでしょうね。例えば、野球部で私は試合に出なくてもいいのです。週一回程度野球を楽しめればいいのですと言って、野球部に入りたいという生徒はいないでしょう。
受け入れる側も、そんなやつは入部させないというのが、当然でしょうね。

だから、私は野球部と同じような感覚で美術部をやってきたことになります。

適当に来たり来なかったりということを許さなかったのです。
それは、預かった限り必ず、本人が満足のいくようなレベルの絵を描かせるという気持ちで指導したかったからです。

それが、私が目指した美術部だったのです。


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