「蒼穹の昴(第二巻)」浅田次郎著(講談社)を読みました。
都に上がり、官吏として政治の中枢へと進んだ文秀(ウェンシウ)。
一方の春児(チュンル)は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていました。この時、大清国に君臨していた西太后(シータイホウ)は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていました。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼びます。
第二巻では、占いおばあさん白太太(パイタイタイ)が春児にした予言が偽りであったことが判明。
もともとは「荒野でのたれ死にする」運命だったにもかかわらず、その天分で自身の運命を切り開いていく春児。
稀代の料理人・周麻子(ジョウマアヅ)、誰にも真似できない芸をもつ黒牡丹(ヘイムータン)、そして胡弓の達人で前太監(タイチェン)の安徳海(アンドーハイ)。
並み居る才能を持つ、そして哀しい運命により廃失されてしまった前宦官たちの手ほどきを受けて成長し、紫禁城に出仕する春児。
普段は目立たない春児が、ここぞというときにその才能を発揮し異例の出世を果たしていく・・・胸がすく展開です。
でももちろん春児の人生は晴れやかな面ばかりではありません。
宦官と官吏の交流は禁止されている王宮。
文秀(ウェンシウ)に保護されている春児(チュンル)の妹・玲玲(リンリン)の姿を見かけつつ、春児が声もかけられない姿は読んでいてせつなくなります。
幼い時の初恋のような?相手・蘭琴(ランチン)は皇帝側に仕えており、いずれ対立する側にたたざるを得ないのでは・・・と予感させられます。
この作品では一層色濃くなる旧守派と改革派の動きも見所です。
西大后と、居並ぶ重臣がいる芝居の席で、皇帝の親政を促すヤンシチエン、
天津の李鴻章(リイホンチャン)将軍に直談判する進士の王逸(ワンイー)の場面などは息もつまる緊迫した場面です。
皇帝側と西大后側の権力の趨勢をみきわめつつ、国の行方を憂え、いりみだれる周囲の人間たち。第三巻につづく・・・。
都に上がり、官吏として政治の中枢へと進んだ文秀(ウェンシウ)。
一方の春児(チュンル)は、宦官として後宮へ仕官する機会を待ちながら、鍛錬の日々を過ごしていました。この時、大清国に君臨していた西太后(シータイホウ)は、観劇と飽食とに明けくれながらも、人知れず国の行く末を憂えていました。権力を巡る人々の思いは、やがて紫禁城内に守旧派と改革派の対立を呼びます。
第二巻では、占いおばあさん白太太(パイタイタイ)が春児にした予言が偽りであったことが判明。
もともとは「荒野でのたれ死にする」運命だったにもかかわらず、その天分で自身の運命を切り開いていく春児。
稀代の料理人・周麻子(ジョウマアヅ)、誰にも真似できない芸をもつ黒牡丹(ヘイムータン)、そして胡弓の達人で前太監(タイチェン)の安徳海(アンドーハイ)。
並み居る才能を持つ、そして哀しい運命により廃失されてしまった前宦官たちの手ほどきを受けて成長し、紫禁城に出仕する春児。
普段は目立たない春児が、ここぞというときにその才能を発揮し異例の出世を果たしていく・・・胸がすく展開です。
でももちろん春児の人生は晴れやかな面ばかりではありません。
宦官と官吏の交流は禁止されている王宮。
文秀(ウェンシウ)に保護されている春児(チュンル)の妹・玲玲(リンリン)の姿を見かけつつ、春児が声もかけられない姿は読んでいてせつなくなります。
幼い時の初恋のような?相手・蘭琴(ランチン)は皇帝側に仕えており、いずれ対立する側にたたざるを得ないのでは・・・と予感させられます。
この作品では一層色濃くなる旧守派と改革派の動きも見所です。
西大后と、居並ぶ重臣がいる芝居の席で、皇帝の親政を促すヤンシチエン、
天津の李鴻章(リイホンチャン)将軍に直談判する進士の王逸(ワンイー)の場面などは息もつまる緊迫した場面です。
皇帝側と西大后側の権力の趨勢をみきわめつつ、国の行方を憂え、いりみだれる周囲の人間たち。第三巻につづく・・・。