「村上春樹ハイブ・リット」村上春樹編訳(アルク)を読みました。
「ハイブ・リット」とは、hybrid(混成の)とliterature(文学)の合成語だそうです。CD付の本で見開きの左側が英語、右側が日本語となっており見比べることができます。
収録作品は三作品です。
1.レイニー河で/ティム・オブライエン作(朗読:作家本人)
2.ささやかだけれど、役に立つこと/レイモンド・カーヴァー作(朗読:グレッグ・デール)
3.レーダーホーゼン/村上春樹作(朗読:ジャック・マルジ)
1.2は村上さん日本訳、3はバーンバウム英訳。
冒頭に村上春樹さんの前書き(4P)と、各作品に柴田元幸さんの短い解説がついています。
英語原文には目を通してないのですが(わからないので)・・・、耳を通して聞くだけでネイティブ気分!?特にカーヴァーの作品は単語も難しくないので英語オンチの私にもなんとなく場面展開がわかります。朗読の人も抑揚があってききやすいです。
「レイニー河で」(「本当の戦争の話をしよう」収録)は久しぶりに読み返しました。前に読んだときは「ベトナム戦争の話か」とひとごとだったのですが、今回読み返してみて、自分も同じように徴兵される立場になったら・・・とその恐怖と怒りと不安をじっとりと感じました。
「私の良心は逃げろと告げていた。しかしなにかしらの非理知的で強力な力がそれを押しとどめていた。要するにそれは、ばかばかしい話だが、体面のようなものだった。根が深くて、ホットで、切実で、愚かしい、体面という感情。」
「ささやかだけれど~」は、柴田さんの解説に「特にいろんな物の表情が豊かである。しかしそれが「○○のシンボル」とすっきり割り切れるわけでもない。その適度な能率の悪さが小説的になんとも雄弁である」と書いてあり、そう意識して読むとカーヴァーの現実を描写する力になるほど・・・と改めて納得させられました。
「レーダーホーゼン」も久しぶりの読み返し。やっぱり村上さんの文章は面白い。そしてバーンバウムさんの会話の翻訳のテンポもうまい。
欲をいうのならば村上さん自身の声で朗読が聴きたかったなー。
もしくは、ボーナストラックで「かえるくん東京を救う」の英訳(村上さんのかえるの鳴きマネつき)がついていたらよかったな。
「ハイブ・リット」とは、hybrid(混成の)とliterature(文学)の合成語だそうです。CD付の本で見開きの左側が英語、右側が日本語となっており見比べることができます。
収録作品は三作品です。
1.レイニー河で/ティム・オブライエン作(朗読:作家本人)
2.ささやかだけれど、役に立つこと/レイモンド・カーヴァー作(朗読:グレッグ・デール)
3.レーダーホーゼン/村上春樹作(朗読:ジャック・マルジ)
1.2は村上さん日本訳、3はバーンバウム英訳。
冒頭に村上春樹さんの前書き(4P)と、各作品に柴田元幸さんの短い解説がついています。
英語原文には目を通してないのですが(わからないので)・・・、耳を通して聞くだけでネイティブ気分!?特にカーヴァーの作品は単語も難しくないので英語オンチの私にもなんとなく場面展開がわかります。朗読の人も抑揚があってききやすいです。
「レイニー河で」(「本当の戦争の話をしよう」収録)は久しぶりに読み返しました。前に読んだときは「ベトナム戦争の話か」とひとごとだったのですが、今回読み返してみて、自分も同じように徴兵される立場になったら・・・とその恐怖と怒りと不安をじっとりと感じました。
「私の良心は逃げろと告げていた。しかしなにかしらの非理知的で強力な力がそれを押しとどめていた。要するにそれは、ばかばかしい話だが、体面のようなものだった。根が深くて、ホットで、切実で、愚かしい、体面という感情。」
「ささやかだけれど~」は、柴田さんの解説に「特にいろんな物の表情が豊かである。しかしそれが「○○のシンボル」とすっきり割り切れるわけでもない。その適度な能率の悪さが小説的になんとも雄弁である」と書いてあり、そう意識して読むとカーヴァーの現実を描写する力になるほど・・・と改めて納得させられました。
「レーダーホーゼン」も久しぶりの読み返し。やっぱり村上さんの文章は面白い。そしてバーンバウムさんの会話の翻訳のテンポもうまい。
欲をいうのならば村上さん自身の声で朗読が聴きたかったなー。
もしくは、ボーナストラックで「かえるくん東京を救う」の英訳(村上さんのかえるの鳴きマネつき)がついていたらよかったな。