Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「スマイルプランツ 幸せを運ぶ植物たち」山本順三著(誠文堂新光社)

2008-12-09 | エッセイ・実用書・その他
「スマイルプランツ 幸せを運ぶ植物たち」山本順三著(誠文堂新光社)を読みました。
「サボテンを枯らす女」でも大丈夫?の比較的育てやすい植物を紹介。
紹介されているのは多肉植物とサボテン、ブロメリア、ティランジアなどのプランツ70種。
栽培カレンダーやじょうずな水やり方法、植え替えやふやしかたなどの簡単な実用書にもなっています。

「月兎耳(つきとじ)」というぴょこんと細長い多肉植物や、「黒王丸(こくおうまる)」という黒くて太いトゲのあるサボテンなど、名前も見た目も珍しくて面白いです。植物の名前だけで小説が一冊書けそう。
ただ、トイカメラで撮ったようなピントの甘い写真は好みの別れるところでは。
私としてはもう少しはっきりと葉や花の形がわかる写真がよかったかな。

「MANSAI 解体新書」野村萬斎著(朝日新聞社)

2008-12-09 | エッセイ・実用書・その他
「MANSAI 解体新書」野村萬斎著(朝日新聞社)を読みました。
2002年に世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任した狂言師の野村萬斎さん。
同シアターで「ことば」「からだ」「伝統」などをテーマに、セルフプロデュースで「MANSAI◎解体新書」と銘打ち、各界のゲストと12回の対談公演を行った模様が収録されています。
森村泰昌さん、近藤良平さん、白石加代子さん、コロッケさん、いとうせいこうさん、鎌田東二さん、齋藤孝さん、池谷裕二さんなどゲスト総勢23人。
芸能関係だけではなく、茶芸家元からロボット工学の教授まで、ゲストの顔ぶれも多彩で面白いです。

一番面白かったのは文楽の太夫・豊竹咲甫太夫さん(NHKのこども番組「にほんごであそぼ」で、アンネの日記の朗読「そしてなによりおともだちがほーしーいぃー」などとうなっていた方です。)といとうせいこうさんの3人で行った対談。
文楽の「人形」「三味線」「太夫」は三者のユニゾンではなく、ジャズのセッションに近い感じ・・・など、初めて知る興味深い世界。いとうせいこうさんのツッコミが絶妙です。
ほかの対談でも、萬斎さんが「自分は自己表現以上に狂言に仕えているという使命感が強い」とおっしゃっていたのが印象的でした。
前に宮崎駿さんがインタビューで「僕は監督やって好き勝手やってると思うでしょ?そんなことないですよ。僕は作品の奴隷です。」といっていた言葉を思い出しました。
どの世界でも第一人者の方は、「自分がその才能を発揮している」のではなくて、「自分はその世界に使わされた才能である」と考えるのかなあなんて思いました。