Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「中原の虹(第二巻)」浅田次郎著(講談社)

2008-12-05 | 日本の作家
「中原の虹(第二巻)」浅田次郎著(講談社)を読みました。
滅び行く清朝を愛し、憂えた西太后。
彼女の生涯が、ゆっくりと幕を閉じていきます。彼女が選んだ跡継ぎとは。
そして張作霖は袁世凱が派遣した一個師団の師団長を務めることになるのですが。
本の表紙は中国皇帝の座る玉座。金の龍がまばゆいです。

長い年月清国を支えその衰退を持ちこたえ続けてきた西太后。
勇者ダイシャンの霊と会話し少女に戻ったような西太后の場面にはせつなくなりました。そして西太后と光緒帝のひそかな電文のやりとりも。

そして張作霖は相変わらず芝居のようにかっこいい。
浴場で丁大佐ののど仏にカミソリをあてる場面には、ぞくっとしました。

さらに今巻ではさらに芝居のように「美しい」ミセス・チャンが登場。
西太后の孫娘であるお姫様が馬賊の格好をして現れる場面、ぜひ映像化してみたい!

ほかにも馬賊が銃のなげうちをするときの姿勢や、日本の戦前の風俗(兵舎の残飯を売り物にしている商人がいるとか)など、ディティールが豊富で作品の世界にどっぷりひたってしまいます。

いよいよ続く第三巻からは映画「ラスト・エンペラー」の世界に突入?
今から読むのが待ち遠しいです。