Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「東京夢譚」鬼海弘雄著(草思社)

2007-04-24 | いしいしんじ
「東京夢譚」鬼海弘雄著(草思社)を読みました。
長年撮り続けた東京、神奈川の街の風景を収めた写真集。本人のエッセイも収録されています。
TVの「週間ブックレビュー」でいしいしんじさんが推薦されていました。
いしいさんは番組の中で「一写真あたり(見る)滞在時間15分はかけてます。どの写真にもなにかひとつ面白いポイントがあるんですよ」とお話されていました。
でも私には「なんでこの写真選んだのかな?」と思う写真もいくつかあったりして、いしいさんの眼力にはとてもかなわず。

昭和の面影が残る街並み、キッカイな形の現代の建物、植物に侵食された家、人の住むにおいがむんむんする裏通り、洗濯物におふとん。
私も毎日見ているような風景ばかりなんですが、鬼海さんのファインダーに切り取られると、そこから何か面白い物語が始まるような感じがします。

エッセイも昔かたぎのヤーさんやら風俗のおねえさんやらこぎれいな犬を連れたおばさんやら、さまざまな人が登場しています。
写真と同じく「体臭を感じる」文章です。