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はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「だから荒野」

2014-08-03 16:44:11 | 本・映画・ドラマ
桐野夏生さんの『だから荒野』を読みました。


46歳の誕生日。
自分のために予約したレストランでの家族の言動に、何かがぷつんと切れ、食事の途中、
レストランを出て、そのまま家に帰らず、2度と帰らないつもりで、長崎への旅に出た、主婦。

高速道路に乗り、旅をする途中、いろんなことを経験し、たどりついた長崎で暮らし始め、、
出した結論とは?

身勝手な夫、息子2人と4人家族。
最初の方は、そんな不満があるなら、正面から向き合って話せばいいのよ。お金も何も持たず、
車ひとつで、家を飛び出して生きていけるほど、世の中甘くない。
なんて、世間知らずな、無謀な、甘い考えの人なのかしら?と、思ってた。

それが、道中、それみたことかと言わんばかりに、だまされたりして、やっと自分のことや、
家族のことが冷静に考えられるようになり、結果的には、冷静になるために、その人には
必要な時間と経験だったのかな?と思いました。

家族のあり方は、人それぞれで、どういう形が正しいかなんてのは、よくわからないけれど、
不満を貯め込んだまま生活をするなんて、よくないし、それを爆発させて、逃げていても、
何も解決しないのだから、現状が嫌で、なんとかしたいなら、行動を起こすしかない。

それが、家出だなんて、どうよ?と思うのは、私の感覚だけど、そこまでしないと、
家族の再生ができないところまで行ってしまっている家族だってあるのかもね~と、
私には、あまり共感を感じることなく、読み終わってしまいました。

逃げてちゃ、何も解決しないよ~ ってのが、心に残りました。

本「ホテルローヤル」

2014-08-03 16:28:40 | 本・映画・ドラマ
台風の影響だろうか、昨日、今日と、雨続き。
低気圧の影響だろうか、こんな日は、何もする気がせず、予定していた外出もとりやめ^^;
家で、読書に耽ってしまった。

読むのは結構好きだったのに、このところ、マンドリン>>読書という感じになってしまい、
読書も久しぶりな気がする。

少し前に直木賞を受賞された、桜木紫乃さんの『ホテルローヤル』を、やっとこさ読みました。


恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、
「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、
舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、
親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、
働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、
複雑な事情を抱えるホテル従業員。

…と、ホテルローヤルの周りの方々の、人間模様が描かれたこの小説。
時代背景は、現在のものから、30年くらい前のお話まで様々。
あまり明るい感じではなく、おそらく、暗い感じのストーリーばかり。

でも、どこか、懐かしい(懐かしいというと語弊がある?)ような気持ちにさせられる、
雰囲気がありました。
登場する主人公たちの共通点は、寡黙。そして、現状に耐えているというか、
現状を、それはそれとして、受け入れている感じがするところだろうか。

誰しも、そういう面があるから、自分との共通点を感じたりして、懐かしく感じたのだろうか?

不思議な空気感…説明しづらいのだけれど、そんな感じが残る本でした。