はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「わたしを離さないで」

2011-10-22 17:58:01 | 本・映画・ドラマ
カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」を読みました。

本の裏表紙に書かれていた内容は、

“残酷な運命に翻弄された若者たちの一生を感動的に描くブッカー賞受賞作家の新たな傑作。。
自他ともに認める優秀な介護人、キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇妙な日々に思いを巡らす。図画工作に極端に力を入れた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に…。彼女の回想は、ヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく。”

結構、ぶあつい、ボリュームのある本だったけれど、なんの情報も入れずに読んだら、
ヘールシャムって、なに??なんで、外の世界と隔離されて、生活しているの?
マダムってなにもの?展示館ってなに?提供って…臓器提供?
臓器提供するために生まれてきたって、どういうこと??
と、読めばよむほど、疑問が膨らみ、読み始めたら、途中で止めたくなくなって、
どこへ行くにも、持ち歩き、引きつけられて、ぐいぐい読んだ。

読後感は…哀しい…そして、怒り。
そういう感情に満ちてしまった。

自分の人生が、こういうものだと、、もし、最初から、決められてしまって、あらがえないとしたら??
それでも、人は、生きる楽しみみたいなものを見出し、日々を生きていけるものなのだろうか?

YOUTUBEで、映画の予告編を少し見ただけで、トミーが、慟哭しているシーンで、
哀しみと、怒りが、、一緒に大きくなって、涙が出てしまった。

映画も、見てみたい気がする。

少し前に読んだ、短編集と比べても…感情的に、かなり揺さぶられる、いい(という表現がいいかどうかは
わからないけれど)物語でした。

自分が知らない世界で、この物語のようなことが、実際行われているとしたら?
なんてちらっとでも頭をよぎると、ぞわっと、衝撃が襲ってくる。
コメント
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