人工衛星104個、同時放出に成功 インドのロケット
2017年2月15日
http://www.asahi.com/articles/ASK2H55M6K2HUHBI01P.html
インド宇宙研究機関(ISRO)は15日、打ち上げたロケットから104個の人工衛星を順次放出し、軌道に乗せることに成功したと発表した。ISROによると、これだけ多数の衛星の同時放出は世界的に前例がないという。
人工衛星の大半は平均で重さ6キロ余りという超小型で、うち88個は米サンフランシスコの民間企業が所有する地球観測衛星だと報じられている。ほかにイスラエルやカザフスタン、アラブ首長国連邦の衛星などが含まれているという。
ISROの報道官は「放出された衛星はそれぞれ所有する企業や団体が制御し、万が一の場合でも、宇宙ゴミにならないような対策を講じてある」と話している。(ニューデリー=武石英史郎)
超小型衛星が次々に宇宙に放出される場面を映したYouTubeを見つけたので貼っておく。
https://youtu.be/aYf_uyHQN5o
地上から見た打ち上げの模様。
https://youtu.be/OyJ2x8HyuqM
インドの宇宙技術のレベルは非常に高いように見える。
コスト競争力は抜群らしい。
>うち88個は米サンフランシスコの民間企業 Planet が所有する地球観測衛星だと報じられている
同民間企業は、すでに50個あまりの同種観測衛星を打ち上げているので、合計149個もの衛星で地球を観測するわけだ。地球全体を同時に観測するのだろうか?
得られた観測データは民間企業だけでなく軍にも売るらしい。
戦争になった時、中国が米国の衛星を破壊するとしても、こんなにあると破壊しきれないだろう。米国の対中戦術が見えるような気がする。
<2017年2月18日>
Planet’s satellites offer customers a new world view every day
プラネット社の人工衛星は地球の映像を毎日顧客に届ける
宇宙からの画像解析はビッグビジネスになり得る
Feb 16th 2017
http://www.economist.com/news/business/21717110-analysing-images-space-could-be-big-business-planets-satellites-offer-customers-new-world?fsrc=rss%7Cbus
(要旨)プラネット社は149個の人工衛星を所有することになった。これにより、全地球表面の中程度の解像度の画像を毎日顧客に届けることができる。
衛星は “doves”ドーブ(鳩)と呼ばれており、10cmx10cmx30cmの大きさだ。
最初のドーブは5年前に打ち上げられ、毎日3000平方kmの画像を送ってきた。
その後、ちょうどスマホと同様の軌跡をたどって改良されてきた。実際に、スマホの部品を使用している。最新のドーブは250万平方kmをカバーすることができる。
人工衛星の船団は毎日3テラバイト以上のデータを地球上の30ヶ所以上に設置した受信ステーションに送ってくる。データの歪を除去する処理を施した後、各画像の位置を特定し、クラウドに収容し、1時間以内に顧客に届けられる。
プラネット社は顧客について詳細を公表していないが、100以上だと同社のCEOウィル・マーシャルが明らかにした。その一部は、歴史的に最大の衛星画像利用者である諜報機関だ。その他には、地図作成企業、金融会社、多国籍企業(特にエネルギー部門)が含まれる。
全地球上の画像を毎日更新することでプラネット社の目標の一つが満たされることになる。同社は2010年に創業し、1億8,300万ドルの資金を集めた。同じ場所を1日に1回以上通過することで雲により不鮮明化されていない画像を得る確率が高まる。しかし、同社のユニークな製品を大きな稼ぎ手にしている理由は「優先事項」にある。それを実現する鍵は、緊急課題に答えるための画像処理である:昨日とは何が変化したのか? それは不法な伐採なのか? 港における貿易のバランスを示唆するコンテナー数はどれほどか? プラネット社はこのような解析を自ら提供できるが、第三者も存在する。SpaceKnow は400万ドルを集めたスタートアップ企業だが、金融業界に狙いを絞った衛星画像解析を行うためにデータを購入する。
ドーブの分解能は3~5mであり、従来の衛星画像より少し粗い。マーシャル氏によれば、ドーブが日毎の変化を探知した場所のもっと鮮明な画像が自動的に得られるような新規衛星のソフトウエア開発にプラネット社は関心を持っている。
プラネット社はこのよな小さな衛星を使ってビッグデータを得る唯一の企業ではない。同じく2月15日、Spire社所有の8個の船舶追跡衛星が打ち上げられた。これらの企業は、ますます多くの顧客がこのように毎日更新される衛星画像がデータ解析市場において重要度を増すことを理解するよう願っている。
2017年2月15日
http://www.asahi.com/articles/ASK2H55M6K2HUHBI01P.html
インド宇宙研究機関(ISRO)は15日、打ち上げたロケットから104個の人工衛星を順次放出し、軌道に乗せることに成功したと発表した。ISROによると、これだけ多数の衛星の同時放出は世界的に前例がないという。
人工衛星の大半は平均で重さ6キロ余りという超小型で、うち88個は米サンフランシスコの民間企業が所有する地球観測衛星だと報じられている。ほかにイスラエルやカザフスタン、アラブ首長国連邦の衛星などが含まれているという。
ISROの報道官は「放出された衛星はそれぞれ所有する企業や団体が制御し、万が一の場合でも、宇宙ゴミにならないような対策を講じてある」と話している。(ニューデリー=武石英史郎)
超小型衛星が次々に宇宙に放出される場面を映したYouTubeを見つけたので貼っておく。
https://youtu.be/aYf_uyHQN5o
地上から見た打ち上げの模様。
https://youtu.be/OyJ2x8HyuqM
インドの宇宙技術のレベルは非常に高いように見える。
コスト競争力は抜群らしい。
>うち88個は米サンフランシスコの民間企業 Planet が所有する地球観測衛星だと報じられている
同民間企業は、すでに50個あまりの同種観測衛星を打ち上げているので、合計149個もの衛星で地球を観測するわけだ。地球全体を同時に観測するのだろうか?
得られた観測データは民間企業だけでなく軍にも売るらしい。
戦争になった時、中国が米国の衛星を破壊するとしても、こんなにあると破壊しきれないだろう。米国の対中戦術が見えるような気がする。
<2017年2月18日>
Planet’s satellites offer customers a new world view every day
プラネット社の人工衛星は地球の映像を毎日顧客に届ける
宇宙からの画像解析はビッグビジネスになり得る
Feb 16th 2017
http://www.economist.com/news/business/21717110-analysing-images-space-could-be-big-business-planets-satellites-offer-customers-new-world?fsrc=rss%7Cbus
(要旨)プラネット社は149個の人工衛星を所有することになった。これにより、全地球表面の中程度の解像度の画像を毎日顧客に届けることができる。
衛星は “doves”ドーブ(鳩)と呼ばれており、10cmx10cmx30cmの大きさだ。
最初のドーブは5年前に打ち上げられ、毎日3000平方kmの画像を送ってきた。
その後、ちょうどスマホと同様の軌跡をたどって改良されてきた。実際に、スマホの部品を使用している。最新のドーブは250万平方kmをカバーすることができる。
人工衛星の船団は毎日3テラバイト以上のデータを地球上の30ヶ所以上に設置した受信ステーションに送ってくる。データの歪を除去する処理を施した後、各画像の位置を特定し、クラウドに収容し、1時間以内に顧客に届けられる。
プラネット社は顧客について詳細を公表していないが、100以上だと同社のCEOウィル・マーシャルが明らかにした。その一部は、歴史的に最大の衛星画像利用者である諜報機関だ。その他には、地図作成企業、金融会社、多国籍企業(特にエネルギー部門)が含まれる。
全地球上の画像を毎日更新することでプラネット社の目標の一つが満たされることになる。同社は2010年に創業し、1億8,300万ドルの資金を集めた。同じ場所を1日に1回以上通過することで雲により不鮮明化されていない画像を得る確率が高まる。しかし、同社のユニークな製品を大きな稼ぎ手にしている理由は「優先事項」にある。それを実現する鍵は、緊急課題に答えるための画像処理である:昨日とは何が変化したのか? それは不法な伐採なのか? 港における貿易のバランスを示唆するコンテナー数はどれほどか? プラネット社はこのような解析を自ら提供できるが、第三者も存在する。SpaceKnow は400万ドルを集めたスタートアップ企業だが、金融業界に狙いを絞った衛星画像解析を行うためにデータを購入する。
ドーブの分解能は3~5mであり、従来の衛星画像より少し粗い。マーシャル氏によれば、ドーブが日毎の変化を探知した場所のもっと鮮明な画像が自動的に得られるような新規衛星のソフトウエア開発にプラネット社は関心を持っている。
プラネット社はこのよな小さな衛星を使ってビッグデータを得る唯一の企業ではない。同じく2月15日、Spire社所有の8個の船舶追跡衛星が打ち上げられた。これらの企業は、ますます多くの顧客がこのように毎日更新される衛星画像がデータ解析市場において重要度を増すことを理解するよう願っている。