政府と被災地、責任なすりつけあい 米ハリケーン被害で (朝日新聞) - goo ニュース
これは、連邦政府を責められないでしょうね。「日本と米南部」でも書いたように、アメリカは、連邦と州とが各役割を分担していて、こういう安全対策は、州の役割です。市長が州知事Blancoの監督下で義務を果たすことになっています。少なくとも南部の州知事がすることではありません。
ここで全米二番目にPoorなルイジアナ州を考慮してやってくれ、そういうルイジアナを面倒見るのが連邦政府の役割だ、という見方が出てきそうですが、それも通じません(ヘルプを連邦政府に要請は可)。確かにルイジアナの平均年収は、約3万ドルで、全米平均から13000ドルマイナスで、10人に1人は車を持てず、また、身障者や老人の多い地域が今回のKatrinaの通ったところにはありました。また、当局があらかじめ避難するように勧告したのに、交通機関で働く人たちも一緒に逃げちゃったんだからしょうがないじゃん、というかもしれません(貧民層では車の所有は七人に1人)。
しかしルイジアナには、きちんとした避難計画があって約一年前にシミュレーションされ、30万人がおそらく交通手段をもてなくなることも想定されていました。シミュレーションでは、その三分の一は救えることがわかったので、あと三分の二をどのように供給するかを考えるべきでしたが、それをしなかったのが第一の怠慢。
第2の怠慢は、その三分の一を救うはずのバスに避難救助を命じなかったこと。これはルイジアナのDisaster対策の二番目にやることのはずでしたが、これをしませんでした(一番目は、Hurricane Centerに連絡)。
第3の怠慢は、昨年のIvan、98年のGeorgeという台風の教訓から、Superdomeなどのニューオリンズ内の施設に避難させると、今回のような暴動が起きることが想定されました。なぜなら取り残されるのは、貧民層という犯罪で生計をたてるひとがそれなりに暮らす地域の人間だとわかっていたからです(一節によると、今回の暴動は、Housing Projectsに暮らす貧民層だけでなく、そこの出身のニューオリンズ刑務所の囚人も加わりました、そのため警察の責任は重い)。それなのに、今回も、SuperdomeとConvention Centerに避難させることを当局は命じました。しかも水や食糧の供給せずに。
とにかくいかなることがあってもアメリカでは現場の責任者がすべてを発動させるところから始まります(テロでも)。とにかく今回、ニューオリンズ市長の責任はかなり問われます。緊急時に即興できちんとした判断をするのは難しいですが、マニュアル化された指示に全く従わなかったわけですから。
ところで、僕の友人の予測どおり、Jefferson Davisの家がやられてしまいました。ここは、Jefferson Davisが最後の12年を過ごしたところで、美しく、また、南北戦争以前の屋敷(復元されたものを含む)がたくさんありました。ここから3マイルのところにその友人の祖父母がいて、現在も音信不通です。無事を祈っています。
これは、連邦政府を責められないでしょうね。「日本と米南部」でも書いたように、アメリカは、連邦と州とが各役割を分担していて、こういう安全対策は、州の役割です。市長が州知事Blancoの監督下で義務を果たすことになっています。少なくとも南部の州知事がすることではありません。
ここで全米二番目にPoorなルイジアナ州を考慮してやってくれ、そういうルイジアナを面倒見るのが連邦政府の役割だ、という見方が出てきそうですが、それも通じません(ヘルプを連邦政府に要請は可)。確かにルイジアナの平均年収は、約3万ドルで、全米平均から13000ドルマイナスで、10人に1人は車を持てず、また、身障者や老人の多い地域が今回のKatrinaの通ったところにはありました。また、当局があらかじめ避難するように勧告したのに、交通機関で働く人たちも一緒に逃げちゃったんだからしょうがないじゃん、というかもしれません(貧民層では車の所有は七人に1人)。
しかしルイジアナには、きちんとした避難計画があって約一年前にシミュレーションされ、30万人がおそらく交通手段をもてなくなることも想定されていました。シミュレーションでは、その三分の一は救えることがわかったので、あと三分の二をどのように供給するかを考えるべきでしたが、それをしなかったのが第一の怠慢。
第2の怠慢は、その三分の一を救うはずのバスに避難救助を命じなかったこと。これはルイジアナのDisaster対策の二番目にやることのはずでしたが、これをしませんでした(一番目は、Hurricane Centerに連絡)。
第3の怠慢は、昨年のIvan、98年のGeorgeという台風の教訓から、Superdomeなどのニューオリンズ内の施設に避難させると、今回のような暴動が起きることが想定されました。なぜなら取り残されるのは、貧民層という犯罪で生計をたてるひとがそれなりに暮らす地域の人間だとわかっていたからです(一節によると、今回の暴動は、Housing Projectsに暮らす貧民層だけでなく、そこの出身のニューオリンズ刑務所の囚人も加わりました、そのため警察の責任は重い)。それなのに、今回も、SuperdomeとConvention Centerに避難させることを当局は命じました。しかも水や食糧の供給せずに。
とにかくいかなることがあってもアメリカでは現場の責任者がすべてを発動させるところから始まります(テロでも)。とにかく今回、ニューオリンズ市長の責任はかなり問われます。緊急時に即興できちんとした判断をするのは難しいですが、マニュアル化された指示に全く従わなかったわけですから。
ところで、僕の友人の予測どおり、Jefferson Davisの家がやられてしまいました。ここは、Jefferson Davisが最後の12年を過ごしたところで、美しく、また、南北戦争以前の屋敷(復元されたものを含む)がたくさんありました。ここから3マイルのところにその友人の祖父母がいて、現在も音信不通です。無事を祈っています。
とすると、どうしてこんなに連邦政府反対や人種差別問題に発展してしまったんでしょう?
ご存知でしたら、お願いします。
暴動については、これは一次(二次)資料が少ないのですが、ニューオリンズ市に、刑務所に囚人を避難させるプランがなかったということも原因にあげられると思いますし、pfaelzerweinさんが指摘されたように、文化・思想の問題にも繋がっていくと思います。
確かに役割分担はあっても、手に負えなかったというのが事実でしょうか。