イングランド北西部最大の海辺の観光地、ブラックプール Blackpool 、観光案内、前回の続きです。
ブラックプールで有名なのはまず、ピアpier。 日本語で「遊歩桟橋」と言うようです。
英国の海辺の、ある程度の規模の観光地にはかならずと言っていいほどある遊興施設、海岸から海に向かって突き出した、散策できる長い桟橋です。飲食施設やゲーム・アーケード(=ゲームセンター)があります。
ブラックプールには、3本もあります!
海に向かってー番右側(北)にブラックプール・ノース駅 Blackpool North Station から海岸までまっすぐ歩いたらすぐ目の前にあるノース・ピア the North Pier 。
ブラックプールを通って長い海岸線沿いに南北18kmにわたって走っているトラム tram(路面電車)がそれぞれのピアの前で停まります。£6-60 (6ポンド 60ペンス=1,322 円)で1日乗り降り自由の1日乗車券 day rider ticket がお得です。車内で車掌さんから買えます。
撮り忘れたので、ノース・ピアのちょっと古風な正面の写真をブラックプールの観光ウェッブサイトから勝手に転載します☟
完成は1863年、3本のうち最も古い由緒あるピアです。高名な建築家の初期の作品例だとかで、第二級保存指定建築。他2本のピア(後述)に比べて建造当時の外観をよく保っています。
海辺での滞在が経済的に余裕のある階級に独占されていたという19世紀半ばに建設された、紳士淑女が潮風を浴びて散策をする上品な社交スポットだったそうです。瀟洒なティールームや音楽を演奏するホールがあったそうです。
20世紀以降の鉄道の発達で、海辺ですごす休日がー気に大衆化して以来、多くの海岸エリアは「上品な保養地」とは程遠い庶民の遊興地と化しています。ブラックプールはその代表格です。
ノース・ピアも例にもれずかなりの通俗化です。入り口のゲーム・アーケード、ケバケバしいお土産屋さんや、チッピー(フィッシュ&チップスバー)、などなど... 桟橋の途中にはかつてブラックプールの名物だったというジプシーの手相占いの小屋までありました。(1950年頃全盛だったようです)
ブラックプールに到着した日の夕方、夕食前にふらっと立ち寄りました。
7時半をすぎた夕暮れの太陽に向かった逆光の写真です。
先端近くの右側のプロセッコ・バーがかつてのティールームだと思われます。左側には19世紀建造の木造のシアター(劇場)がありました。
ロックコンサート、コメディやミュージカルを上演しているようです。入ってみなかったのが悔やまれます。上演時間外は無料で入場できるようです。
右側に見えるのは、英国の海辺の観光地の定番、ヘルタースケルターというらせん状の高いすべり台です。25年以上前、2歳だった息子といっしょに私もすべったものと...おそらく同じモデルだと思うのですが...は思えない状態の良い新しいヘルタースケルターでした。当時は危ないとも思えなかったのですが、これ、おそらく現在の安全基準ではアウトなのでは...?
バーから、ヘン・ナイト hen night (めんどりの夜会=結婚を控えた女性が独身時代最後の羽目を外したナイトライフを楽しむ女性だけのパーティ)のー団がゾロゾロ出てくるところでした。
主役の女性は「もうすぐ花嫁 Bride to be」と大書されたサッシュ(タスキ)を肩から斜めにかけています。週末のブラックプールはこのヘン・ナイトのパーティで大人気のようです。少なくとも7~8グループを見かけました。
最先端は、残念、工事中で立ち入り禁止でした。
402mもある長いピアです。
真夏のシーズン中になると、入り口からヘルタースケルターのあるあたりまでブラックプール名物のトラムの復刻版ミニチュアモデルが、走行します。
25年前に息子と乗ったはずなのですが...乗った記憶が欠落しています。
☟またまた、ブラックプールの観光ウェッブから勝手に借りて転載した写真です☟
シングルマザーだった当時、イギリス人の友人親子と1泊泊りがけで来たのでした。その2年ぐらい後、寒い冬に4歳ぐらいになった息子を連れて、今の夫とまた来た当時のブラックプールには、まだ古い型の木の床の、ほこりくさい匂いのする座席のトラムが普通に走っていました。
特に行くあてもなく、名物のトラムに乗りたかっただけの理由で、海岸沿いを行ったり来たりした記憶があります。その時は1日乗車券はなかったはずです。
両側にズラッと並ぶ鉄製のベンチの怖い顔をしたギリシャ神話の図像のイルカと、大文字のBに小文字のpを組み合わせた(Blakpool?)デザインが瀟洒です。
ベンチの下には、亡くなった人を記念する真鍮のプレートが打ち付けてありました。
たぶん...改修の際に寄付でも募ったのではないでしょうか。英国の公園や広場などには、故人の思い出に捧げるプレートが打ち付けられた寄付ベンチがとても多いのです。
それにしても、記念日だか命日だかに供えられたはずの花束がすべて造花なのが...安っぽくて悲し気です。
10年近く前に娘とそのお友達を連れて日帰りでブラックプールに来た時は、ノース・ピアの木の板張りの床がガタピシしていました!しかも板の端がすり減って隙間だらけではるか下の砂浜が透けて見えたのが怖かった記憶が...。
現在、床板の修理中です。
修理部分はもちろん、柵でかこわれていました。(柵のすき間から撮った写真です)
どのくらいの頻度で修理するのでしょうか。あれから10年近くもずっとボロボロ状態だったとしたら...というか、ボロボロ度も進化したことでしょうし、滑りやすい雨降りの日なんかはものすごく怖かったのでは?
今回は、補修された床の上を歩きました。右側が工事中の部分です。
さすが、保存指定建築、文化財!観光物件とは言え、できるかぎり建造時の状態を忠実に保つべくていねいに修復されているらしいことに感心します。
満潮のブラックプール海岸です。
日中、水平線がはるかむこうに見えていた遠浅の砂浜はどこに行っちゃったんだ?!といぶかるほどの、潮の満ち引きによる景観の変わりようには、脅威です!
現在の、モデルチェンジしたモダンなトラムです。
古いタイプのトラムも休日など観光目的で走っています。滞在中の土曜日、日曜日に何度か目撃しました。(機会があれば後述します。写真もあります)
ブラックプール名物のトラムの、郷愁を誘う旧式モデルを模してペイントされたゾウのエルマーがノース・ピアの斜めまえに設置されています。
ペイントされたゾウのエルマー(絵本のキャラクター)79体を町中に配置した子供向けのチャリティ・イベントが開催されていました。
海岸線を海に向かって左(南)に5~6分歩くと、セントラル・ピア Central Pier があります。南に行けば行くほどピアは通俗、大衆化します!!
3本のピアを比較するつもりでしたが、ノース・ピアについて異常に長く書いてしまいました。
次回、他の2本のピアと、ブラックプールの「遊興施設」紹介、そして、やたらに写真に写り込んでいる絵になる鉄製の塔に関する記述が全くないのが絶対に不自然ですね!「地球の歩き方」にも載っていたはずの、エッフェル塔を模したイングランド北西部有数の観光資源だという...(!)ブラックプール・タワー the Blackpool Tower についてもちょっとふれます。
僕の読み間違いです
longthroneってなんですか?どこに出てきましたか?この記事ですか。
エルマーの79体はすごいです。
探さなくてもどこに行っても目にしました。すぐ飽きました!数はほどほどにして、見つけた時に盛り上がる方がイベントとしては成功だったかも。
この絵本が 日本に入って来たときは
僕は 子育てが 終わっており
そういえば こんな 絵本が
図書館に 有ったなーー程度の記憶ですが
79体って すごいですね
No rose is without throne 赤いバラには刺がある
なのかな? それとも 寄付した 人が Longthroneさん なのかも? わかったら 教えて下さい